米国の対諜報活動当局幹部が、今日開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)観戦などのためにロシアを訪れる米国人は、犯罪者やロシア政府によってハッキングされる恐れがあるため、電子機器を持ち込むべきではないと警告している。
米連邦捜査局(FBI)の捜査官で、国家防諜セキュリティセンター(NCSC)の長官を務めるウィリアム・エバニナ氏は12日、ロイター通信に対し、W杯を観戦する旅行者らは、自分は政治家や外交官などの重要人物ではないから、ハッカーの標的にはならないと考えるのは禁物であり、その可能性はあると忠告したと報じられている。
エバニナ氏は、「もし携帯電話、ラップトップPC、PDAなどの電子機器を持ち込むつもりであれば、それらの機器のデータは全て(特に個人認証に関連する情報は)ロシア政府あるいはサイバー犯罪者によってアクセスされる可能性がある。...
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米連邦捜査局(FBI)の捜査官で、国家防諜セキュリティセンター(NCSC)の長官を務めるウィリアム・エバニナ氏は12日、ロイター通信に対し、W杯を観戦する旅行者らは、自分は政治家や外交官などの重要人物ではないから、ハッカーの標的にはならないと考えるのは禁物であり、その可能性はあると忠告したと報じられている。
エバニナ氏は、「もし携帯電話、ラップトップPC、PDAなどの電子機器を持ち込むつもりであれば、それらの機器のデータは全て(特に個人認証に関連する情報は)ロシア政府あるいはサイバー犯罪者によってアクセスされる可能性がある。」と指摘した。
さらに同氏は、「企業幹部や政府高官が最もリスクが高いが、自分は取るに足りない人物なので標的にはなり得ないなどと思い込んではいけない。」「もし機器なしで済むのであれば、持ち込まないことだ。持ち込まねばならないのであれば、普段使っているものとは別のものにして、使っていない時にはバッテリーを外しておくこと。」と助言している。
米国の政府機関は、他の大きな国際スポーツイベントの前にも同様の警告を出している。最近では今年2月に韓国で行われた冬季オリンピックの前に発出した。
ロシアによるハッキングを巡っては、米国の情報機関、法執行機関、議会関係者らが、2016年の大統領選での同国の介入と、トランプ大統領の陣営がそれを認識あるいは支援していたかについて、引き続き調査している。トランプ大統領は、繰り返しいかなる共謀もなかったと主張しており、ロシアは米国の選挙への介入を全て否定している。
今回のW杯に当たっては、英国の安全保障当局も英国民とイングランド代表チームに対し、同様の警告を行った。英国家サーバーセキュリティセンター(NCSC)が声明で、英サッカー協会に対し、代表チームの出発前に、サイバーセキュリティの専門家の助言や注意を伝えたとしている。英メディアによれば、チームの携帯電話に特別のセキュリティソフトが入れられ、選手らはネットバンキングの操作を控えることや、私物管理の注意事項などについて様々な指導を受けたという。
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