世紀の米朝首脳会談開催日が近づいてきた。ドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮側の出方次第で、以前と同様に同会談を中止する可能性に言及しているが、11月の中間選挙で勝ち抜くためには、この画期的なイベントを放棄することはなかろう。ところで、当初候補に挙がっていたスイス、モンゴル、南北朝鮮間非武装地帯ではなく、何故シンガポールを選択したのかについて、ホワイトハウスがこの程その理由を明かしている。米朝それぞれと親交のある数少ない国であり、様々なサミットを開催した経験があることを評価したとしているが、もっともな理由は、同大統領が嫌う反対デモについて、シンガポールが厳しく取り締まる法律を有していることとみられる。
6月8日付米
『CNBCニュース』:「ホワイトハウスが米朝首脳会談の開催地をシンガポールとした理由を説明」
ホワイトハウス高官は6月7日、6月12日開催予定の米朝首脳会談の開催場所について、当初噂されたスイス、モンゴル、南北朝鮮間非武装地帯ではなく、シンガポールとした理由を明らかにした。
同高官によると、まずシンガポールが米朝両国とそれぞれ親交のある数少ない国であることと、これまでに様々なサミットを開催している経験があることだとする。...
全部読む
6月8日付米
『CNBCニュース』:「ホワイトハウスが米朝首脳会談の開催地をシンガポールとした理由を説明」
ホワイトハウス高官は6月7日、6月12日開催予定の米朝首脳会談の開催場所について、当初噂されたスイス、モンゴル、南北朝鮮間非武装地帯ではなく、シンガポールとした理由を明らかにした。
同高官によると、まずシンガポールが米朝両国とそれぞれ親交のある数少ない国であることと、これまでに様々なサミットを開催している経験があることだとする。
例えば、2015年には、中国の習近平(シー・チンピン、64歳)国家主席と台湾の馬英九(マー・インチウ、67歳)総統(当時)との歴史的な首脳会談の場所として選ばれている。
シンガポールのビビアン・バラクリシュナン外相(57歳)は6月5日、首脳会談開催準備のために訪米した際、シンガポールから手を挙げたことはないが、まず米国側からアプローチがあり、続いて北朝鮮側からも開催地としての要望があったので、受諾することにしたと語った。
更に言えば、シンガポールはデモに対する規制が厳しく、ダウンタウンのスピーカーズ・コーナー(注後記)を除いて、許可なしの集会は許されず、また、外国人の参加も禁じられており、これが別の大きな理由と考えられる。
一方、6月7日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『AP通信』配信):「米朝首脳会談を前にシンガポール外相が訪朝」
シンガポール外務省の発表によると、バラクリシュナン外相は6月7~8日、北朝鮮の李容浩(イー・ヨンホ、61歳)外交部長(外相に相当)の求めに応じて訪朝したという。
同外相は、6月7日に李部長と面談した後、翌8日には、北朝鮮No.2の金永南(キム・ヨンナム、90歳)常任委員会委員長(国会議長に相当)とも面談するという。
なお、シンガポール外務省は、北朝鮮側との協議の内容を明らかにしていない。
(注)スピーカーズ・コーナー:シンガポールの芳林(ホーリン)公園内に2000年9月に設けられた場所で、ここではシンガポール市民なら誰でも許可なく集会や演説会等を行うことが認められている。ロンドンのハイド・パークの北東隅にあるスピーカーズ・コーナーが有名であるが、ここでは英王室への批判と英国政府転覆についての演説は禁止されている。
閉じる