【31日付『ニューヨークポスト』など】　　31日、トランプ大統領は、ニューヨーク市選挙で違法な寄付を行ったとされ起訴されている保守的な映画監督ディネシュ・デスーザ氏に恩赦を与えた。これは、大統領とロシアの結託に関する捜査に協力しないよう、親友で個人弁護士のマイケル・コーエン氏と元選挙対策本部議長のポール・マナフォート氏に発信する、明確なメッセージだとする見方がある。

ホワイトウォーター疑惑（＊脚注）調査中にスター特別検察官の元で首席弁護士を務め、現在は中央右派のシンクタンクに務めるポール・ローゼンツヴァイク氏は次のように述べた。「トランプ大統領は周囲に許可を求めることなくできることをやるのが好きであり、恩赦はその典型的な大統領権である。一方で、愚か者ではないので、自分のしていることの影響も考えている。おそらく、コーエン氏やマナフォート氏といった人たちに、忠実であれば守る、という合理的で効果的なメッセージを送っているのだろう。...

ホワイトウォーター疑惑（＊脚注）調査中にスター特別検察官の元で首席弁護士を務め、現在は中央右派のシンクタンクに務めるポール・ローゼンツヴァイク氏は次のように述べた。「トランプ大統領は周囲に許可を求めることなくできることをやるのが好きであり、恩赦はその典型的な大統領権である。一方で、愚か者ではないので、自分のしていることの影響も考えている。おそらく、コーエン氏やマナフォート氏といった人たちに、忠実であれば守る、という合理的で効果的なメッセージを送っているのだろう。」

コーエン氏は、大統領選前にトランプ大統領の女性関係疑惑を封じ込めるため、ポルノ女優のストーミー・ダニエルズさんに13万ドル支払い、銀行詐欺と選挙資金違反で捜査を受けている。犯罪で告発はされていない。しかし、コーエン氏が捜査に協力すれば、2016年の大統領選でのトランプ大統領とロシア政府の関係を捜査しているロバート・ミュラー特別検察官に非常に重要な情報を与えることになるかもしれない。

マナフォート氏は、ウクライナ政府から金銭を受け取り隠ぺいしていた疑いで、バージニア州にて脱税と銀行詐欺で起訴されている。彼は無罪を主張している。

ローゼンツヴァイク氏は、もしマナフォート氏やコーエン氏の立場なら、デスーザ氏の恩赦を知って「自分にはないのか」と思うだろうと話した。

ロシアと接触したとみられる人物に恩赦を与えるという大統領の策略が成功するかどうかはわからない。なぜなら大統領は連邦犯罪にしか恩赦を出すことができず、州や地方の検察官は依然としてコーエン氏やマナフォート氏を起訴することができるからだ。

＊クリントン元大統領の州知事時代の土地開発・不正融資疑惑問題。