フランスの情報機関である対外治安総局(DGSE)の元諜報部員2人が、二重スパイとして中国に機密情報を渡していた容疑で拘束された。容疑者らは昨年12月にすでに拘束されているが、今月24日夜に仏メディアが報じ、その後国防省も一部内容を確認したことで、明らかになった。
フロランス・パルリ(Florence Parly)軍事大臣は、仏テレビ局のCNewsに「対外治安総局に属していたフランス人要員2人と、そのうちの1人の配偶者が、外国勢力に情報を渡したとの容疑に基づき、反逆行為と見なされる可能性の高い重い行為の罪に問われている」と述べた。
今回拘束された容疑者たちは、北京駐在中に1人がもう1人を雇い、共謀して進行中だった国防案件に関する文書を中国当局に渡していた容疑にかけられている。...
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フロランス・パルリ(Florence Parly)軍事大臣は、仏テレビ局のCNewsに「対外治安総局に属していたフランス人要員2人と、そのうちの1人の配偶者が、外国勢力に情報を渡したとの容疑に基づき、反逆行為と見なされる可能性の高い重い行為の罪に問われている」と述べた。
今回拘束された容疑者たちは、北京駐在中に1人がもう1人を雇い、共謀して進行中だった国防案件に関する文書を中国当局に渡していた容疑にかけられている。反逆が認められた場合は、懲役30年と450,000ユーロ(約6千万円)の罰金が科せられる。このような事件は、通常は公にされることなく処理されるが、今回、公にしたことで、フランスも状況をつかめていることを中国に知らせる狙いがあるのではないかと見られている。
中国は外国での諜報能力強化を推し進めており、対外治安総局の情報部門トップを務めたアラン・シュエ(Alain Chouet)氏は、中国は「当然、経済情報も狙い続けているが、政治、外交などの分野で他の主要国が何をしようとしているのか探っている」と指摘した。
フランスに滞在している5万人の中国人研修生や研究者の中には、中国政府に密かに情報を提供している者たちがいると見られている。
「諜報活動事典」(「Dictionnaire du renseignement」)に掲載されている中国の諜報活動に関する記事で、研究者のフィリップ・マルヴァラン(Philippe Marvalin)氏は、次のように述べている。「18の事務所に分かれ、7,000人の公務員以外に、深海魚と呼ばれる5万人の闇諜報者を追加する必要がある。」また、「彼らは米国を主要標的とし、ヨーロッパでは特にフランス、英国、オランダ、ドイツで活動している」とも述べている。
パルリ軍事大臣は、今回の事件に対し「我々は非常に警戒している」、「私たちは危険な世界に住んでおり、残念ながらこのようなことは起こることがある」と述べた。
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