米ハワイ州・ハワイ島のキラウエア火山の噴煙によるスモッグが27日、3,700キロ離れた太平洋上の島国マーシャル諸島に到達したことが確認された。当局はこれがさらに西へ拡散する可能性があるとして警告している。
米領グアムの米国立気象局によれば、「ヴォグ(vog, volcanic smogの略)」として知られる火山灰によるスモッグが、マーシャル諸島のあるミクロネシア地域一帯に広がっているという。
気象学者らは、マーシャル諸島の住民に対し、呼吸器系の障害を引き起こすとして、不要不急の外出を控えて屋内に止まるように呼びかけ、航空会社や船会社に対しては、視界が低下している旨の警告を行った。
グアムの気象局は、キラウエア火山の噴煙はさらに西方に向かっており、数日中にミクロネシア連邦のコスラエ、ポンペイ、そして場合によってはチュークの各州にも到達する可能性があるとしている。...
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米領グアムの米国立気象局によれば、「ヴォグ(vog, volcanic smogの略)」として知られる火山灰によるスモッグが、マーシャル諸島のあるミクロネシア地域一帯に広がっているという。
気象学者らは、マーシャル諸島の住民に対し、呼吸器系の障害を引き起こすとして、不要不急の外出を控えて屋内に止まるように呼びかけ、航空会社や船会社に対しては、視界が低下している旨の警告を行った。
グアムの気象局は、キラウエア火山の噴煙はさらに西方に向かっており、数日中にミクロネシア連邦のコスラエ、ポンペイ、そして場合によってはチュークの各州にも到達する可能性があるとしている。
ビッグアイランドと呼ばれるハワイ州最大の島、ハワイ島のキラウエア火山の噴火は、4週目に入った。5月3日に100年に1度と言われる噴火活動が始まり、山腹の住宅に暮らしていた約2,000人が避難している。溶岩流出が拡大しており、先週はプナ地区の地熱発電所に達して26日夜にはこれを覆い、近隣の家屋を押し流した。
同発電所は地中から取り出した蒸気やガスをタービン発電機に取り込んで発電しているが、当局は溶岩が到達する前に発電所を閉鎖し、爆発や有毒ガスの放出などを食い止めるために、貯留槽に水を注いで冷却するなどの措置を行った。デービッド・イゲ州知事は、貯留槽の状態は安定していると説明したが、溶岩流が地熱発電所を飲み込むような事態は世界でも初めてのことであり、どのような危険が潜んでいるかわからないと、州の非常事態管理当局は述べている。
キラウエアは世界で最も活発な火山であり、コハラ、マウナ・ケア、ファラーライ、マウナ・ロアとともにハワイ島の5つの火山の内の1つである。科学者らは、今回の火山活動は、ハワイ島が1920年代半ばに経験したのと同様の大規模な噴火の前ぶれかも知れないと考えている。
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