【Globali】
コロンビアでの大統領選挙の結果、右派のデュック氏が最高得票を獲得した(2018/05/28)
コロンビアで5月27日、大統領選挙が行われ、開票率85.1%時点で右派のデュック氏が最高得票率の39.7%を獲得した。 ちなみにそれに続く得票率は各々、元ゲリラ組織(FARC)出身のグスタフ・ペトロ氏が24.9%、中道派のセルジオ・ファハルド氏が23.4%の結果となった。いずれの候補者も50%に満たないと判断されるので、決選投票のための2回目の投票が、得票率上位の2候補者間で6月17日に行われる。
今回の開票結果は選挙前の世論調査どおりで、右派のデュック氏は以前大統領を務めたアルバロ・ウリベ氏の後継者と目された人物である。 今回の大統領選挙は見かけ上は平穏に執り行われたが、内情としては、強硬な右派の候補に対して元ゲリラ組織、コロンビア武装革命軍(FARC)の左翼候補が対決するという前代未聞の構図をもった選挙であった。現職のコロンビア大統領、ホアン・マニュエル・サントス氏(中道右派)は今回の選挙が過去数十年間で最も平穏に行われ、非常に満足しているとコメントした。...
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今回の開票結果は選挙前の世論調査どおりで、右派のデュック氏は以前大統領を務めたアルバロ・ウリベ氏の後継者と目された人物である。 今回の大統領選挙は見かけ上は平穏に執り行われたが、内情としては、強硬な右派の候補に対して元ゲリラ組織、コロンビア武装革命軍(FARC)の左翼候補が対決するという前代未聞の構図をもった選挙であった。現職のコロンビア大統領、ホアン・マニュエル・サントス氏(中道右派)は今回の選挙が過去数十年間で最も平穏に行われ、非常に満足しているとコメントした。
コロンビアはこれまで半世紀以上にわたって右翼政権がFARCなどのゲリラ組織と内乱状態を繰り返してきたが、2016年にFARCとの間に平和協定を結んで政情の安定を維持している。なお、強硬右派のデュック氏が大統領に選ばれた後の課題は、平和協定での取り決めした項目が今のところ計画どおりに実行されていないので、これらを推進することである。また、FARCに次ぐ武装組織の民族解放軍(ELN)との和解交渉も新しい政権の解決すべき課題である。
なお、日本にとってコロンビアはコーヒーの生産国としてなじみがある国である。かつてはコーヒー豆の生産量でブラジルに次ぐ世界第2位の国であった。最近ベトナムに追い越されたが、世界第3位のコーヒー生産国である。コロンビアが新政権に代わり、平和な国が維持され、おいしいコーヒーを安定して日本を含む全世界に供給してほしいものである。
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