米ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、ステイシー・カニンガム氏が第67代の社長に就任する人事を今週初めに発表した。25日に就任する。女性がNYSEのトップになるのは、創業226年で初めてのことである。
カニンガム氏は43歳、1996年に立会場からキャリアを開始した。現在では最高執行責任者(COO)を務めており、25日に現在のトム・ファーレイ氏の後を継ぎ、社長に昇格、就任する。ナスダック(NASDAQ)は、女性のアデナ・フリードマン氏が昨年1月から最高経営責任者(CEO)を務めており、米国の2つの主要取引所のトップが女性となる。
NYSEでは、2002年にキャサリン・キニー氏が、女性で初めて共同社長(Co-President)の地位に就いたが、当時は最高経営責任者(CEO)あるいは会長(Chairman)が実権を握っていた。...
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カニンガム氏は43歳、1996年に立会場からキャリアを開始した。現在では最高執行責任者(COO)を務めており、25日に現在のトム・ファーレイ氏の後を継ぎ、社長に昇格、就任する。ナスダック(NASDAQ)は、女性のアデナ・フリードマン氏が昨年1月から最高経営責任者(CEO)を務めており、米国の2つの主要取引所のトップが女性となる。
NYSEでは、2002年にキャサリン・キニー氏が、女性で初めて共同社長(Co-President)の地位に就いたが、当時は最高経営責任者(CEO)あるいは会長(Chairman)が実権を握っていた。現在では、社長(President)が最高責任者である。
カニンガム氏は、自身の昇任について米メディアのインタビューに応じ、最高責任者として、取引所の経営に当たることに興奮しており、昇任の意味の重さを認識していると述べた。同氏は今年初めに、1967年にNYSEのフロアで初めて働いた女性から、自分を鼓舞する力をもらったと話していた。
カニンガム氏が入所した時、証券取引所は圧倒的に男性社会であったが、いまだに男性によって経営が支配されている。NYSEを傘下に持つインターコンチネンタル取引所グループの21人の役員の内、女性はカニンガム氏ら4人だけだ。
ウォールストリートの金融街とNYSEは、女性の一層の登用を求める圧力を受けている。NYSEは最近、「恐れを知らぬ少女(Fearless Girl)」像を、同取引所の前に移動することに同意した。像は昨年3月の国際女性デーの前日、ウォールストリートの象徴であり、上昇が続く強気相場「ブルマーケット」を表す「突撃する雄牛(Charging Bull)」像の正面に置かれ、多くの女性役員が誕生するようにとのメッセージが込められているという。
カニンガム氏が直面する最大の課題は、電子商取引の時代となり、主要な取引所の存在意義が薄くなっていることへの対応だ。同氏が22年前に入所したとき、NYSEとナスダックは、米国内の株取引の大多数を扱っていたが、今日両取引所での扱い数は、電子的に完結するものよりも遥かに少ない。
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