4月24日付Globali
「ストローをめぐる企業の環境問題への対応」などで報じているとおり、プラスチック製品の海洋汚染が世界的に問題となっている。中でもプラスチック製ストローは、リサイクルが難しく、最終的に海洋にたどりつくことが多い。ウミガメの鼻から取り出されるストローのYouTube動画は、24日午後時点で再生回数が2400万回を超えた。
マクドナルドの株主総会を標的にするのはさまざまな分野の活動家だ。プラスチック製ストローの廃止は数ある訴えの一つである。今月21日朝には土砂降りの中、シカゴにあるマクドナルド新社屋の外に「15ドルを求める闘い(Fight for $15、最低賃金引上げ運動)」の抗議者が集まり、賃金上昇を要求した。牛肉と豚肉に抗生物質を常用することを段階的に廃止したり、しばしば議論の的となっている資金調達イベントMcTeacher’s Night(*脚注)を終了したりすることを要請する団体もいる。
株主総会で、マクドナルドの役員は、売上成長と企業の社会的責任を大々的に宣伝した。マクドナルドのリック・ヘルナンデス会長は、「私たちは、長期的な成長戦略に合った方法で、規模の拡大を図っている。」と述べた。
今年初め、マクドナルドは温室効果ガス排出量削減計画を発表した。また2025年までに、再生可能もしくはリサイクルされた、または森林破壊が起こらない認定された供給源からの包装のみを使用する計画を3月に明らかにした。平飼い卵のみを使用するなど、大幅なサプライチェーンの変更も約束している。
企業規模が大きいため(全世界に約37,000店舗、一日あたりの顧客数6800万人)、マクドナルドの決定は食品業界全体に大きな変化をもたらす。なお、英国内のマクドナルド店舗では段階的にプラスチック製ストローを排除していくことを3月に発表している。
ジェシー・ジャクソン牧師は、年次総会に出席し、マクドナルドに賃金改善とセクシュアル・ハラスメント問題に取り組むように促した。今週初め、9都市のマクドナルドで働いていた10人の女性が、フランチャイズオーナーとマクドナルドに対してセクシャルハラスメントの苦情を申し立てた。
これまでの声明と変わらず、スティーブ・イースターブックCEOは、このような主張を重く受け止めており、フランチャイズ店も同様に考えていると述べた。
アメリカでもプラスチック製ストロー問題に取り組む自治体が増えてきた。23日、ニューヨーク市議会議員がプラスチック製ストローを禁止する法案を提出した。シアトル市、フロリダ州マイアミビーチ、カリフォルニア州マリブ市は、すでに法律が制定されている。また先月、シカゴ・ホワイトソックスが、野球のメジャーリーグでは初めて、プラスチック製ストローを禁止した。
*イベント開催日にマクドナルドで商品を購入すると、売上げの一部が学校に寄付されるというもの。教職員が店舗で無償で働いたり募金を呼び掛けたりする。学校が資金集めできる一方、ジャンクフードに子どもたちがさらされ、教職員が民間企業のブランド戦略に巻き込まれるのは間違っていると一部の教職員組合や消費者団体がプログラムの終了を訴えたが、2016年、株主の賛成の41%しか獲得できず、提案は否決された。
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