米有力消費者情報誌の「コンシューマー・レポート(Consumer Reports)」は21日、電気自動車大手テスラの新型セダン「モデル3」について、制動距離が重量のあるトラックより長いことなどを理由に、推奨しないことを明らかにした。
コンシューマー・レポートは、影響力の大きい米国の消費者情報誌で、毎年米国で販売される自動車の評価を発表しているが、テスラのモデル3を推奨しないと表明した。同誌によるテストでは、加速性能やハンドル操作など、同車の魅力も多く発見されたが、制動距離が非常に長い他、中央部のタッチ・スクリーンの使い勝手や乗り心地も悪く、高速走行で風音がうるさいなど、「大きな欠点」があるとしている。
モデル3の制動距離は、時速60マイル(約100キロ)でブレーキを掛けた場合、152フィート(約46.3メートル)で、同誌がテストした現行モデルのどの車より大幅に性能が悪く、高級小型セダン車の平均より、約21フィート(約6.4メートル)長かった。...
全部読む
コンシューマー・レポートは、影響力の大きい米国の消費者情報誌で、毎年米国で販売される自動車の評価を発表しているが、テスラのモデル3を推奨しないと表明した。同誌によるテストでは、加速性能やハンドル操作など、同車の魅力も多く発見されたが、制動距離が非常に長い他、中央部のタッチ・スクリーンの使い勝手や乗り心地も悪く、高速走行で風音がうるさいなど、「大きな欠点」があるとしている。
モデル3の制動距離は、時速60マイル(約100キロ)でブレーキを掛けた場合、152フィート(約46.3メートル)で、同誌がテストした現行モデルのどの車より大幅に性能が悪く、高級小型セダン車の平均より、約21フィート(約6.4メートル)長かった。さらに約2倍の重量があるフォードのフルサイズ・ピックアップトラック「F-150」と比較しても、約7フィート(約2.1メートル)長かったという。
一方、テスラのテストでは、コンシューマー・レポートのテストと同じミシュランの18インチのオールシーズンタイヤを使用した場合の制動距離は平均133フィート(約40.5メートル)で、現在入手可能な全てのタイヤの平均では126フィート(約38.4メートル)に下がった。同社は制動距離などについては、無線ネットワークを利用し、車に搭載されたソフトウェアを更新することにより、絶えず改善をしていると説明した。
テスラでは、生産遅延や事故、同社の財務状況への懐疑的な見方の拡がりなどの逆風に直面しており、同社の利益回復のためには、モデル3の販売の成功が必須と考えられている。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、週末ツイッターで、モデル3の販売計画に関する方針を語り、当初は高価格で、より利益が大きい、フル装備のタイプを販売していく計画を示した。
マスクCEOは、フル装備のモデル3は、デュアル・モーターAWD(全輪駆動)、充電1回あたりの走行可能距離310マイル(499キロ)で、自動操縦機能は除かれており、価格は7万8,000ドル(約865万円)と説明した。同社はまだ大衆市場を狙った車としていた3万5,000ドル(約388万円)の基本価格タイプの生産を開始していない。
閉じる