暴露には、子供が薬物を見つけて飲んだ例の他、偶発的な投与量の過誤、あるいは躁状態になったり自殺したりする目的での意図的な過剰摂取などが含まれる。
この研究では、処方の有無に限らず、19歳以下の青少年がどのようにして服薬に至ったかを調べた。
ADHDと診断された子供の推定69%が、行動のコントロールや集中力を高めるため、アンフェタミンやメチルフェニデートといった薬を服用している。
コロンバス小児病院のオハイオ州中部中毒事故管理センターの責任者で、本研究の共同著者であるヘンリー・スピラー氏は、年齢層に注目している。...
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暴露には、子供が薬物を見つけて飲んだ例の他、偶発的な投与量の過誤、あるいは躁状態になったり自殺したりする目的での意図的な過剰摂取などが含まれる。
この研究では、処方の有無に限らず、19歳以下の青少年がどのようにして服薬に至ったかを調べた。
ADHDと診断された子供の推定69%が、行動のコントロールや集中力を高めるため、アンフェタミンやメチルフェニデートといった薬を服用している。
コロンバス小児病院のオハイオ州中部中毒事故管理センターの責任者で、本研究の共同著者であるヘンリー・スピラー氏は、年齢層に注目している。
「最大の発見は、年齢に差が出るということである」とスピラー氏は言う。青少年を5歳までの未就学児、 6~12歳の学童、13~19歳の3つのグループに分類した。
未就学児のADHD薬への曝露は、主に「探索行動」によるものである。つまり、小さな子は家の中を歩いて回り、物事に興味を持つ。上の兄弟がADHD薬を使用していて出しっぱなしにしていたものを、下の兄弟が誤って飲んでしまう。スピラー氏は、対策として鍵のかかる場所に保管することを提案する。また、1、2カ月の処方箋を、ボトルではなくブリスター包装されたものにするのも手だと話す。この方開封に時間がかかるうえ、一度に何錠も飲み込む危険を防げる。
学童期の子の場合、主に「治療上の誤り」によって過剰な薬に暴露されていた。片方の親が服用させた後にもう片方の親も服用させるなど、子供が知らず知らずのうちに倍量を服用するケースだ。スピラー氏は、これらの間違いは忙しい生活習慣によるものだが、計画を立てることで防げると話す。
最も年齢層の高い13~19歳のグループは、ADHD薬への暴露が意図的な可能性があるため、最も複雑で被害も大きい。中毒センターへの問合せに占めるこのグループの割合は18%と高くはないが、十代の若者たちはハイ状態に依存したり時には自殺を試みたりするために服薬していることがわかった。意図的であるため、鍵のかかる場所への保管といった方法は役に立たず、保護者が薬をきちんと管理することをスピラー氏は提案する。
相談件数の約6%の青少年は入院するほど体調が悪化し、過去には十代の3名が死亡した。毎日服薬する薬は軽く考えられがちであるが、過剰投薬で心拍数が増加するなどの副作用を理解する必要がある、とスピラー氏は語る。薬の乱用リスクについての教育の充実も必要である。
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