『CNBC』『CNN』『ロイター』などの英文メディアは、中国と米国の貿易交渉の会談において、中国側が対米貿易黒字のうち２０００億ドル（約２２兆円）を削減するパッケージを提案したと報じている。

今月１７日と１８日の２日間の日程で、米ワシントンで行われている米中の会談では、両国間における貿易摩擦解消に向けた協議が行われている。その１日目の協議で中国側が、両国間の不均衡を是正するために、２０００億ドルの対米黒字削減を目指して、米国製品の購入を増やすなどを検討していると発表した。ただ、現時点ではまだ提案の段階であり、合意までは至っていない。またこの削減額がどのように算出されたのかなどについては不明だ。...

今月１７日と１８日の２日間の日程で、米ワシントンで行われている米中の会談では、両国間における貿易摩擦解消に向けた協議が行われている。その１日目の協議で中国側が、両国間の不均衡を是正するために、２０００億ドルの対米黒字削減を目指して、米国製品の購入を増やすなどを検討していると発表した。ただ、現時点ではまだ提案の段階であり、合意までは至っていない。またこの削減額がどのように算出されたのかなどについては不明だ。

米国当局者の話によると、中国側の提案をトランプ氏が受け入れたならば、一番大きな恩恵を受けることになるのはボーイング社であるという。同社は米国最大の輸出企業で、商用機の４分の１を中国へ輸出している。さらに別の情報筋では、フルーツやナッツ類、豚肉、ワインなど約４０億ドル相当の農作物についても中国側が一部関税を取り下げる可能性があるとした。

今回、米側代表団との協議に向けて、１７日には中国の劉鶴副首相が訪米し、ドナルド・トランプ米大統領と会談も行われたが、トランプ氏はこの会談に先立ち記者団に対し、この貿易関係の改善ということに懐疑的な見方を示していた。トランプ氏は「中国が非常にわがままになった」と発言して、交渉が成功するかは疑問だとしていた。

提案された数字は２週間前に米国側から要求された数字ともおおよそ合致する。しかし、昨年の米国の対中貿易赤字は３７５０億ドルにものぼり、持続的に２０００億ドルもの赤字を解消するためには大幅な改革が必要になるものとみられる。米国が中国へ輸出している主なものは、１６０億ドルの航空機と１２０億ドルの大豆だ。２０００億ドルの穴埋めをするのは容易ではなく、中国の貿易の専門家らは、そんな早急に穴埋めに成功するということに懐疑的であると述べた。