今月17日、米上院議会でCIAの次期長官にジーナ・ハスペル副長官が承認された。賛成が54票、反対が45票であったことから、民主党から6人が賛成に回り、共和党から2人が反対に回った模様。
ハスペル氏は33年のキャリアを持つベテランで、長年秘密工作部門に勤めてきた。現場担当官ののち、テロ対策や秘密工作部門の高官を勤め上げ、マイク・ポンペオ前長官が国務長官に指名されてからは、次期長官と指名されていた。...
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今月17日、米上院議会でCIAの次期長官にジーナ・ハスペル副長官が承認された。賛成が54票、反対が45票であったことから、民主党から6人が賛成に回り、共和党から2人が反対に回った模様。
ハスペル氏は33年のキャリアを持つベテランで、長年秘密工作部門に勤めてきた。現場担当官ののち、テロ対策や秘密工作部門の高官を勤め上げ、マイク・ポンペオ前長官が国務長官に指名されてからは、次期長官と指名されていた。同氏はドナルド・トランプ米大統領のほか、諜報関係者、複数の民主党議員を含む政治家に至るまで広い範囲で強い支持を得ている。上院の情報特別委員のトップで民主党のマイク・ウォーナー氏もハスペル氏を支持している一人で「大統領にまで上り詰めることのできる人材の一人だ。もし現大統領が彼女に違法行為をやるよう命じても、権力に屈せず真実を話すだろう」と述べた。
しかし一方でハスペル氏が拷問に関与していたとして、承認に反対する者もいる。2001年の米国同時多発テロをきっかけにして、ハスペル氏は2002年よりタイで「ブラックサイト」と呼ばれる秘密軍事施設を監督した。そこでは、イラクやアフガニスタンなどの国のテロ容疑者と疑われる人物を水責めや睡眠をさせないなどで拷問したと言われている。また2005年には、同氏がこれらの様子を押さえた記録ビデオ数十本の破棄を命じたとされている。自身がベトナム戦争後の捕虜として5年間拷問を受けたことがある、民主党のジョン・マケイン氏は当初よりハスペル氏が長官になることに反対していた。しかし病気療養中のため今回の投票には参加ができなかった。
結局、ハスペル氏が上院の公聴会において、拷問のような尋問方法には戻らないことを明言したこともあり、複数の民主党員が賛成の票を投じ、長官へ就任することが決まった。
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