米フェイスブックから大量のユーザー情報を入手した英国の政治コンサルティング会社、ケンブリッジ・アナリティカ(CA)の元社員クリストファー・ワイリー氏は16日、ロシア疑惑に関する米上院の公聴会で、同社がロシアの研究員を使い、ロシアの情報機関と関連のある複数社とデータを共有していたことを明らかにした。
ワイリー氏は、CAによるフェイスブックのユーザーデータ不正利用を告発した人物である。同氏は16日に行われた2016年の米大統領選にロシアが干渉した疑惑を調査している上院の公聴会に出席し、ロシアの情報機関はCAが入手したデータにアクセスしたと信じていると証言した。
同氏は、フェイスブックからユーザーのプロファイルデータを取得するアプリを開発した、ロシア系の米人研究員でケンブリッジ大心理学教授のアレクサンドル・コーガン氏が、「行動調査」を含むロシア出資のプロジェクトに取り組んでいたと説明した。...
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ワイリー氏は、CAによるフェイスブックのユーザーデータ不正利用を告発した人物である。同氏は16日に行われた2016年の米大統領選にロシアが干渉した疑惑を調査している上院の公聴会に出席し、ロシアの情報機関はCAが入手したデータにアクセスしたと信じていると証言した。
同氏は、フェイスブックからユーザーのプロファイルデータを取得するアプリを開発した、ロシア系の米人研究員でケンブリッジ大心理学教授のアレクサンドル・コーガン氏が、「行動調査」を含むロシア出資のプロジェクトに取り組んでいたと説明した。コーガン氏は、しばしばモスクワやサンクトペテルブルクなどの都市を訪れていたという。
また、CAがロシアの研究者を使ってデータを集め、ロシアの情報機関FSB(連邦保安庁)とつながりのある企業やその幹部社員と、「風説キャンペーン」や「態度の植え付け」に関する情報を公然と共有していたと述べている。
ワイリー氏は「このことは、ロシアでフェイスブックデータに対するアクセスがされているのに加え、CAがロシアの治安機関の情報収集の標的にされ、ロシアの治安機関がCAのフェイスブックデータの存在を知らされていたと疑う合理的な根拠があることを意味している。」との考えを示した。
今回の聴取は、2016年の米大統領選でトランプ陣営が起用したコンサルティング会社であったCAが、フェイスブックのデータを不正に利用したことに関する広範な調査の一部だ。フェイスブックは、学術調査を目的としたコーガン氏との契約条項にCAが違反してユーザーデータを濫用したとして非難しており、司法省やFBIが調査を進めている。
ワイリー氏は、CAにはハッカーを使ってシステムに侵入し、相手の政治的な弱みや取引材料となる情報を握るなど、政治キャンペーンについては何でもありという風潮があったと指摘する。同社は今月初め、破産手続を申請して事業から撤退する旨の発表を行った。
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