メニュー・ラベリング規則は、オバマ前大統領が署名した2010年医療保険制度改革で論争の的になり、トランプ大統領が撤廃を求めたため、これまで実施が三回延期されていた。
しかし、米食品医薬品局(FDA)は、昨年、20店舗以上を有する飲食チェーン、スーパー、コンビニに、標準的なメニューの栄養情報やカロリーを表示することを義務付けるこの規則を推し進めると発表した。
マクドナルド、スターバックス、タコベルのような大手飲食チェーンは既に表示を導入しているが、今後は連邦政府がこれを義務付ける。...
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メニュー・ラベリング規則は、オバマ前大統領が署名した2010年医療保険制度改革で論争の的になり、トランプ大統領が撤廃を求めたため、これまで実施が三回延期されていた。
しかし、米食品医薬品局(FDA)は、昨年、20店舗以上を有する飲食チェーン、スーパー、コンビニに、標準的なメニューの栄養情報やカロリーを表示することを義務付けるこの規則を推し進めると発表した。
マクドナルド、スターバックス、タコベルのような大手飲食チェーンは既に表示を導入しているが、今後は連邦政府がこれを義務付ける。
FDAのスコット・ゴットリーブ長官は「政府ぐるみのカロリー表示は、最も悩ましい公衆衛生上の課題の一つである肥満率の改善に大いに役立つだろう」と声明で述べた。長官は、カロリー表示導入により顧客が一回あたり30~50カロリー少なく注文する研究を引用して義務化の必要性を説明した。
多数の公衆衛生擁護団体や全米レストラン協会はこの動きを賞賛しているが、一部の業界団体は、柔軟性がなく反企業的であると反対している。
「残念なことに、FDAの画一的なアプローチは、消費者の好みやピザ業界についての理解の欠如を実証している」とピザチェーンでつくるアメリカン・ピザ・コミュニティーのティム・マッキンタイア会長は述べた。ピザは、一日あたり2歳以上のアメリカ人の13%が食べる食品との報告もあり、アメリカ人の食生活に根付いている。「ピザ独特の注文方法は、何通りもの組合せを生み出し、印刷されたメニューで情報を常に正確に伝えることは困難だ」と同氏は声明で述べた。ピザのトッピングの種類の多さ、宅配メニュー、規則に違反した場合どうなるかなどが懸念される。
しかし、ゴットリーブ長官は、FDAは、情報が消費者にとって最大限に有益で、企業側に最小限の負担となるような方法で規則を実施できるよう努力していると強調した。たとえばピザの場合、カロリー数に幅を持たせて表示することで異なるトッピングに対応できるとしている。
ポスター、看板、クーポン配信は表示義務から免除され、スーパーやコンビニのセルフサービス方式のビュッフェや飲み物コーナーでは食品ごとのカロリー情報を表示する義務はない。
現在アメリカ人の約40%が肥満であり、その結果、心疾患、糖尿病、およびいくつかの種類の癌のリスクが高くなっている。
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