アッパー・ウェスト地区にあるこの46階建てマンションは、トランプ大統領が1990年代に開発を手助けした6棟のマンションのうちの1つである。トランプ氏が所有していないにもかかわらず、その名が建物名につけられた。
昨年、管理組合は建物の標識を取り外すことを検討し始めた。何人かの居住者が、「トランプ」という名前がリベラルなニューヨークでは資産価値を下げると不満を言ったためだ。管理組合は2月に非公式の投票を行い、回答者の63%が「トランプ」のサインを外すことを希望した。...
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アッパー・ウェスト地区にあるこの46階建てマンションは、トランプ大統領が1990年代に開発を手助けした6棟のマンションのうちの1つである。トランプ氏が所有していないにもかかわらず、その名が建物名につけられた。
昨年、管理組合は建物の標識を取り外すことを検討し始めた。何人かの居住者が、「トランプ」という名前がリベラルなニューヨークでは資産価値を下げると不満を言ったためだ。管理組合は2月に非公式の投票を行い、回答者の63%が「トランプ」のサインを外すことを希望した。
トランプ・オーガニゼーションの弁護士の一人が、ライセンス契約の条項では建物に「トランプ」と表示していなければならないと訴訟をほのめかした。居住者に裁判費用が発生することを暗示している。これに対して、マンション管理組合はトランプ・オーガニゼーションを訴えた。
2000年に署名されたマンションのライセンス契約には、マンションは「建物を特定する目的で」「トランプ」の名を使用するためにライセンス料1ドルを支払うとある。名前の表示義務があるのか、それともマンション所有者が希望すれば表示してもよいのか、ということが裁判の焦点となった。
3日、ニューヨーク州アイリーン・ブランステン判事は、契約の条項は建物に「トランプ」と表示するよう義務づけていないとの判決を下した。
標識を外しても、実際、トランプ側が経済的な損失を被ることはない。トランプ・オーガニゼーションは、引続き管理会社として契約の切れる2019年12月までは管理費収入を得ることができる。しかし大統領の息子エリック・トランプ氏は、闘う価値はあると語った。標識を守ることは、父の開発者としての威厳を保つことだと言う。
この判決は、世界に50以上あるトランプブランドの建物にも広範な影響を与える可能性がある。
過去10年間で、トランプ・オーガニゼーションは、他社物件に「トランプ」の名前を冠することでライセンス料を得るライセンス契約締結を積極的に推進してきた。しかし判決により、トランプブランドの運命は部分的に他者、つまりリベラルな都市や外国のトランプブランドのビルの所有者・居住者の手中に預けられた。
すでに、ニューヨーク、トロント、パナマのトランプブランドのホテルや、マンハッタンにある3棟の「トランプ・プレイス」の建物から、「トランプ」の名前は外されている。
「世界中で、特にマンハッタンのアッパー・ウェスト地区では、多くの人が「トランプ」という言葉を否定的な意味合いに結びつけている。そして、多くの人が、頭痛の種となる名称「トランプ・プレイス」に住むよりは住まないことを望んでいる。」と管理組合は法的提出書類に記している。
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