米ミネソタ州ミネアポリスの空港で先週、仏パリから米国へ向かう飛行機の機内食に出されたリンゴ1個を、機内持ち込み用のバッグに入れていた乗客が、税関で申告なしに農産物を持っているとの指摘を受け、500ドル(約5万4,000円)もの罰金を科せられた。
この乗客の女性は先週、旅行先のパリから、自宅のあるコロラド州デンバーに向かう途中、飛行機の乗り継ぎのためにミネアポリスで一旦降機した。その際女性は機内食の一部として提供されたリンゴ1個を、次の飛行機で食べようとバッグに入れておいた。
しかし乗り継ぎの飛行機に乗る前に、女性は一旦入国手続を行い、税関を通過する必要があった。リンゴなど殆どの農産物は、税関申告書などにより申告しないと、米国内に持ち込めないことになっている。...
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この乗客の女性は先週、旅行先のパリから、自宅のあるコロラド州デンバーに向かう途中、飛行機の乗り継ぎのためにミネアポリスで一旦降機した。その際女性は機内食の一部として提供されたリンゴ1個を、次の飛行機で食べようとバッグに入れておいた。
しかし乗り継ぎの飛行機に乗る前に、女性は一旦入国手続を行い、税関を通過する必要があった。リンゴなど殆どの農産物は、税関申告書などにより申告しないと、米国内に持ち込めないことになっている。女性はそこで係員に止められ、違反を告げられた。
女性は搭乗した米デルタ航空の名前を印刷した袋にリンゴが入っているとして、明らかに機内食であると説明した。係員は納得せず、リンゴはフランスのどこか別の場所で入手したという可能性は捨てきれないと反論した。さらにフランスへの旅行は高かったかと尋ね、全体でさらに高額になるなどと高圧的な言葉をかけた。女性はリンゴを放棄すると言ったが、別室に連れていかれ、罰金を20日以内に納めるよう命じた書類を渡された。
女性は本件についてデルタ航空に訴えたところ、同社は、植物の害虫や海外の動物の病気を保持している可能性があり、多くの食料品は持ち込み禁止であるとの農産物に関する規則を説明しただけだった。同社は、規則は非常に明瞭であるとして、「全ての乗客の皆様が入国に当たり、米国の税関と国境保護の規則を遵守されるようお勧めします。」とコメントした。さらにリンゴは機内で消費するために提供されていると説明している。
女性は税関係員が必要以上に無礼で、苦境を喜んでいるようだったとして、税関当局に苦情を申し立てた。彼女は米国人として、簡略化された手続により再入国する資格を持っていたが、この資格により罰金が通常より高額となり、しかも今回の違反で資格を喪失した。再取得には半年程度の時間と160ドル程の費用がかかるという。
報道によれば、女性は本件を訴訟で争うつもりだ。女性は最終的に罰金を支払うことになっても、自分の経験が将来他の誰かの役に立ち、デルタ空港がリンゴについての注意事項を袋に書いてくれるだけでも良いなどと語っている。
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