習近平（シー・チンピン）国家主席（64歳）は、米台連携強化に断固として反対する意向を明確に示すため、台湾海峡で実弾演習を実施するよう指示した。

　　同演習は4月18日に計画されているが、台湾総統選に揺さぶりをかけるために2015年9月に実施して以来の実弾演習である。

　　民主進歩党の蔡英文（ツァイ・インウェン、61歳）現総統が就任する以前は、国民党の馬英九（マー・インチウ、67歳）総統と習国家主席が歴史上初めて会談を持つ等、中台関係は良好であった。...

　　習近平（シー・チンピン）国家主席（64歳）は、米台連携強化に断固として反対する意向を明確に示すため、台湾海峡で実弾演習を実施するよう指示した。

　　同演習は4月18日に計画されているが、台湾総統選に揺さぶりをかけるために2015年9月に実施して以来の実弾演習である。

　　民主進歩党の蔡英文（ツァイ・インウェン、61歳）現総統が就任する以前は、国民党の馬英九（マー・インチウ、67歳）総統と習国家主席が歴史上初めて会談を持つ等、中台関係は良好であった。

　　しかし、台湾独立が底流にある民主進歩党が政権を取ったことから、中台関係は一気に冷え込んでいる。かかる状況下、“一つの中国”原則を認めているはずの米国のトランプ政権が、武器輸出含めて台湾支援を強めつつあることから、習指導部では更に不満が高まっている。

　　習国家主席は今年3月、全国人民代表大会（国会に相当）において、中国の領土は島嶼部含めて1ミリたりとも分断させない、と強い調子で演説している。

　　そして、南シナ海においては最大規模となるPLA海軍軍事演習が4月10、11日に行われた際、同国家主席は、中国初の空母“遼寧（リャオニン）”を含む大艦隊による史上最大の海上閲兵式に出席して、“世界一流”の海軍となるよう訓示した。

　　一方、台湾海峡でのPLA実弾演習の公式発表がなされた翌日、蔡総統は、台湾東岸で台湾侵略を想定した訓練を実施している台湾海軍を訪問し、激励している。

台湾国営メディアの『中央通信』によると、蔡総統が戦艦に乗船するのは、2016年5月に総統就任以来初めてのことであるという。

なお、米国務長官に指名されているマイク・ポンペオ元CIA長官（54歳）は、4月12日に行われた上院指名委員会の席上、台湾向けの武器輸出は重要である旨の発言をしている。