ドナルド・トランプ大統領は、歴代大統領の中では最低の支持率ながら、依然として傍若無人振りを貫いている。すなわち、国内では自身に批判的な政敵やメディアをこき下ろし、海外では何が何でも公約を実施するとして、気候変動条約協定(パリ協定)・環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱等やりたい放題である。そして直近でも、自分に批判的な大統領補佐官(国家安全保障問題担当)や国務長官を更迭し、友人と言いながらも習近平(シー・チンピン)国家主席の中国に真っ向から貿易戦争を挑み、安倍晋三首相の日本にも貿易赤字解消のために関税を賦課する決定を行っている。全ては今年11月の中間選挙に向けての支持率向上のためとみられるが、これだけ内憂外患の大統領に明日はあるのかと、同大統領に批判的な米メディアは辛辣である。
4月9日付
『CNNニュース』:「国内でも海外でも危機・対立に曝されているトランプ大統領」
ドナルド・トランプ大統領はこれまで、常に自身が中心人物として振る舞ってきたが、ついに国内でも海外でも数多くの問題に立ち向かわざるを得なくなっている。
特に、トランプ大統領自身が、敵と認めた相手には国内・海外区別なく攻撃を仕掛けるため、政権を支える高官・スタッフをただ疲弊させる事態となりかねない。...
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4月9日付
『CNNニュース』:「国内でも海外でも危機・対立に曝されているトランプ大統領」
ドナルド・トランプ大統領はこれまで、常に自身が中心人物として振る舞ってきたが、ついに国内でも海外でも数多くの問題に立ち向かわざるを得なくなっている。
特に、トランプ大統領自身が、敵と認めた相手には国内・海外区別なく攻撃を仕掛けるため、政権を支える高官・スタッフをただ疲弊させる事態となりかねない。
直近でも、次のような事態が発生している。
国内では、
・先週更迭された大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の後任となった、ジョン・ボルトン氏がいよいよ4月9日からホワイトハウスで執務開始。特に、シリア政府軍による化学兵器攻撃への対応策について、果して有益な助言を受けられるか。
・トランプ大統領が2週間前に“シリアから可及的速やかな撤退”とコメントしたことに対して、共和党重鎮のジョン・マケイン上院議員が、あいまいな対応をするからシリア政府軍による化学兵器による攻撃を助長したと猛烈非難。
・先週更迭された国務長官の後任に指名された、マイク・ポンペオ氏の米議会審問委員会が4月12日に開催予定。民主党側からの猛烈な反対が必至。
・州兵をメキシコ国境に派遣する決定をしたが、米政府の移民政策を益々偏らせる恐れ。
・少なからぬ人数のトランプ政権高官・スタッフの退職が続いているが、またしても国家安全保障会議のマイケル・アントン報道官が4月8日に突然辞任。
・環境保護庁のスコット・プルーイット長官に次々とスキャンダルが発生・暴露されていて、またしてもトランプ大統領指名のトップ更迭となる恐れ。
・大統領選へのロシア介入の際に利用されたとみられるフェイスブックの創設者であるマーク・ザッカーバーグ氏が4月10日米議会公聴会出席。トランプ政権の関与疑惑が更に高まる可能性。
・後述する中国との貿易戦争拡大懸念によって、ニューヨーク株式市場が軒並み下落。トランプ大統領が景気対策の成功例と株価高騰を挙げていたが今や逆効果。
海外では、
・シリア政府軍が4月7日にまたしても化学兵器を使用し、市民等少なくとも48人が犠牲になったとの情報を基に、米国連大使呼び掛けで国連安全保障理事会緊急会合招集。
・中国に対する1,000億ドル(約10兆7,000億円)の中国製輸入品に対する追加関税課税発表。中国も同等の米輸入品に対する報復関税課税決定で貿易戦争が拡大。
以上について確かに言えることは、中国との貿易上の軋轢、シリア含めた中近東問題、ロシアとの様々な衝突、その他トランプ大統領が扇動している事柄について、いつ、どのように解決されるのか誰も予想ができないということである。
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