エジプトの選挙管理委員会は2日、先週行われた大統領選挙で、シシ大統領が勝利したことを発表した。有力な対立候補がいない中で事実上の信任投票となったが、シシ氏は有効票の約97%を獲得し再選された。但し、投票率は前回の47%から41%に低下した。
委員会は記者会見で、選挙は自由かつ公正に行われ、約6,000万人の登録有権者の内、41.05%が投票したと説明した。投票総数は約2,400万票で、その内92.73%が有効票であったものの、200万近い無効票が出たという。
シシ氏の大差での勝利は確実視されていた。唯一の対抗馬となったムサ・モスタファ・ムサ氏は、有効票の内2.92%を獲得した。ムサ氏はシシ氏の熱心な支持者であったが、1名だけの候補者に対する投票を避けようと、当初シシ氏の選挙運動を指揮した後、立候補届け出の締め切り間際に出馬している。...
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委員会は記者会見で、選挙は自由かつ公正に行われ、約6,000万人の登録有権者の内、41.05%が投票したと説明した。投票総数は約2,400万票で、その内92.73%が有効票であったものの、200万近い無効票が出たという。
シシ氏の大差での勝利は確実視されていた。唯一の対抗馬となったムサ・モスタファ・ムサ氏は、有効票の内2.92%を獲得した。ムサ氏はシシ氏の熱心な支持者であったが、1名だけの候補者に対する投票を避けようと、当初シシ氏の選挙運動を指揮した後、立候補届け出の締め切り間際に出馬している。シシ氏の再選を受けて2日に、トランプ米大統領は同氏と電話会議を行い、中国の習近平主席は祝電を打ち、それぞれ祝意を表した。
シシ氏は、エジプトで最初に自由選挙で選出されたイスラム組織出身のムハンマド・モルシ大統領の下で国防相を務めていた。2013年にモルシ政権に対し大規模な抗議デモが発生した際に、シシ氏はモルシ氏から大統領権限を剥奪して退陣に追い込み、2014年の大統領選で初当選を果たしている。
初当選時には、有効投票の96.9%を得て、投票率は47%だった。再選を果たした今回の選挙では、シェリーフ・イスマイール首相が有権者に対し、愛国者としての義務を果たすよう呼びかけたが、41%の投票率に止まった。シシ氏にとって打撃となる可能性がある。
シシ氏の有力な対立候補は、次々と出馬を断念したり、当局に身柄を拘束されたりして、1月に選挙戦から手を引いた。選挙管理委員会は、正当な理由なく選挙の投票をボイコットした人には、最高500エジプト・ポンド(約3,000円)の罰金を科すと警告したが、野党などの反対勢力は、見せかけだけの選挙であるとして、ボイコットを呼びかけた。
候補者による討論会などもなく、シシ氏自身も多くの式典などで演説はしたが、正式な選挙運動のイベントには姿を見せなかった。シシ氏は投票数日前のインタビューで、自身は対立候補の出馬取りやめには全く関与していないとした上で、もっと候補者がいた方が良いと語っている。
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