米グーグルで約100人の社員が、社内のオンライン・フォーラム上でのいじめを懸念し、昨秋グループを結成して、行動規範を厳格化し、その実施のためにスタッフを雇用することなどを会社に対し提案していることが、米メディアの関係者への取材によって明らかになった。
同グループは、フォーラム上の扇動的な会話や個人攻撃を防止し、常時議論を脱線させる、あるいは会話の内容を漏らす個人への罰則を設けたいと考えている。また人事関係の問題の場合には、問題を訴えた社員、訴えられた社員、管理職、問題の調査人の権利と責任をそれぞれ明確化し、いじめや扇動として用いられる人事部への苦情の犠牲になってしまった従業員の保護を強化するよう、会社に対し要求している。
さらに同グループは、敵意を煽り、会社の価値観に反する考え方を表明する社員が、人種、性別他の機微に触れる問題に関する議論を制しようとする時に、会社はもっと敏感に反応すべきだとも述べている。...
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同グループは、フォーラム上の扇動的な会話や個人攻撃を防止し、常時議論を脱線させる、あるいは会話の内容を漏らす個人への罰則を設けたいと考えている。また人事関係の問題の場合には、問題を訴えた社員、訴えられた社員、管理職、問題の調査人の権利と責任をそれぞれ明確化し、いじめや扇動として用いられる人事部への苦情の犠牲になってしまった従業員の保護を強化するよう、会社に対し要求している。
さらに同グループは、敵意を煽り、会社の価値観に反する考え方を表明する社員が、人種、性別他の機微に触れる問題に関する議論を制しようとする時に、会社はもっと敏感に反応すべきだとも述べている。
グーグルは製品の改善や従業員の士気の向上のため、オープンな対話を活用し、部下が管理職層に対し忌憚のない意見が言えるような環境を醸成してきた。政治や科学に関する討論も社内のオンライン掲示板で自由に行うことができた。
しかしながらトランプ氏が大統領に選出されて以来、同社の自由闊達な社風にも変化が起き、社員の間に亀裂が生じている。米国中に拡大した社会の分断化を反映するものであるが、他社や他業界も、多様化やハラスメント関連のスキャンダルなどに揺れている。
昨夏、元エンジニアのジェームズ・ダモア氏が、ハイテク業界の男女の不平等問題は、男女間の生物学的な違いが原因であるとする内部文書を作成して以来、社内の議論は、敵対的で相手を罵倒する論調へと変化した。会社は同氏を解雇したが、フォーラム上のやり取りはさらに激しさを増している。同氏は今年1月、会社に対し不当解雇訴訟を提起した。
ダモア氏の訴訟の訴状によれば、今回結成された100人の社員グループとしばしば対立している同社の自称保守派のグループも、フォーラムの規約を明確化し、従業員を報復行為から守るような提案をしているという。グーグルは各提案に対するコメントは差し控えるとしているが、既に職場での意見の表明には制限を加えていると述べた。
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