世界のエネルギー需要は、IEAの暫定的な見通しによると、経済成長に後押しされ、昨年は石油換算で前年比2.1%増の140億5000万トン。前年の2倍以上となった。エネルギー需要は2016年には0.9%、過去5年間平均で0.9%の伸び率であった。
世界のエネルギー需要の伸び率の70%以上を石油、天然ガス、石炭が満たし、再生可能エネルギーが残りの部分をまかなった。
エネルギー効率の改善は昨年減速を見せた。...
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世界のエネルギー需要は、IEAの暫定的な見通しによると、経済成長に後押しされ、昨年は石油換算で前年比2.1%増の140億5000万トン。前年の2倍以上となった。エネルギー需要は2016年には0.9%、過去5年間平均で0.9%の伸び率であった。
世界のエネルギー需要の伸び率の70%以上を石油、天然ガス、石炭が満たし、再生可能エネルギーが残りの部分をまかなった。
エネルギー効率の改善は昨年減速を見せた。この結果、世界のエネルギー消費に係る二酸化炭素排出量は2017年に1.4%増加して32.5ギガトンに達し、過去最高を記録した。
IEAの執行役員ファティ・バイオル氏は、「2017年の世界的な二酸化炭素排出量の大幅増加は、気候変動への現在の取組みが十分ではないことを示している」と述べる。「例えば、政策立案者がこの分野に力を入れていないため、世界的にエネルギー効率の改善率が劇的に低下している。」
しかし、二酸化炭素排出量がすべての地域で増加したわけではない。主要経済大国の大半では増加したが、英国、米国、メキシコ、日本では減少した。最も排出量が減少したのは、再生可能エネルギーの導入が増えた米国であった。
石油需要は、輸送部門と増加する石油化学製品需要により、1.6%(150万バレル/日)増加し、過去10年間の平均年率の2倍以上となった。
天然ガス消費は、化石燃料の中でも最も多く、3%増加した。中国単独で消費のほぼ3分の1を占めている。その理由は主として供給量が豊富で比較的安価なためだとIEAは述べている。
石炭の需要は、アジアを中心とした石炭火力発電の増加により、過去2年間の減少から前年比1%増に転じた。
しかし、風力、太陽光、水力発電の導入拡大により、再生可能エネルギーに基づく発電量は6.3%増加した。再生可能エネルギーは、世界のエネルギー需要の伸び率の4分の1を満たし、あらゆるエネルギー源の中で最も高い伸び率を示した、とIEAは述べた。
29の加盟からなるIEAは、世界のエネルギー市場分析、信頼できる安価で持続可能なエネルギー政策を提唱している。
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