英国で今月、元スパイのロシア人男性とその娘が軍用神経剤にさらされた殺人未遂事件を受け、英国ではインフラ中枢を標的としたロシアのサイバー攻撃に備え昼夜警戒体制を敷いている。また、国際サイバースパイ活動が懸念される未来には、火事の時に通報を受ける消防隊のように、サイバー攻撃を受けた時に通報を受けるサイバー攻撃対策班の職業が未来の職業として非常に重要になると考えられている。
3月19日付英国
『BBC』は「サイバースパイの一歩先を行く」との見出しで以下のように報道している。
未来のトレンドの職業に就きたいなら、サイバー攻撃対策企業に就職するといい。悪意あるハッカーは常に進化を続け最新のウィルスをまき散らし続けている。この最先端分野のトップに立つのが国の対策機関である。
英政府通信本部(GCHQ)は、世界34か国に国営の資金潤沢なスパイ組織があり、友人や敵をターゲットに活動しているとみて監視を続けている。...
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3月19日付英国
『BBC』は「サイバースパイの一歩先を行く」との見出しで以下のように報道している。
未来のトレンドの職業に就きたいなら、サイバー攻撃対策企業に就職するといい。悪意あるハッカーは常に進化を続け最新のウィルスをまき散らし続けている。この最先端分野のトップに立つのが国の対策機関である。
英政府通信本部(GCHQ)は、世界34か国に国営の資金潤沢なスパイ組織があり、友人や敵をターゲットに活動しているとみて監視を続けている。「BAEシステムズ」(国防・情報セキュリティ・航空宇宙)のサイバーセキュリティ部長は、サイバー攻撃被害の通報を受けて駆け付けると、大抵惨事は続いており、まだウィルスがネットワークを荒らしていて、データを盗み取っている最中だったりするのだという。攻撃を受けた時、犯人を明らかにすると被害が拡大する恐れがある為、先ずは証拠や被害状況の確認を行う。
「クラウドホッパー作戦」と呼ばれる大規模なサイバー攻撃事件(プロバイダーを標的とし企業の顧客の多くの情報を入手)の際には、英国立サイバーセキュリティセンター(NCSC)および英国「BAE システム」などと連携。BAEシステム等の調査で、この攻撃は中国の国家支援のもとのハッカー組織で「APT10」や「Stone Panda」等と呼ばれる組織が犯したものだと判明した。
GCHQチームの職員の前職は高度なコンピュータ技術を活かしたものでここで更なる特殊技術を身に着けている。このようなサイバー対策の仕事での醍醐味はチームとして調査を行い、ハッカーの侵入経路を突き止め、被害範囲や盗まれたデータを突き止める点にあるという。経験や勘、深い分析力やコーディング技術を使ってパズルを解いているような感覚なのだという。犯罪に対応するという点では、良いことをしているという感覚がある。しかし、組織に関する最新の情報や対策をもってしてもなお対策は困難を極める。今後重要な仕事になるのは間違いない。サイバースパイは無くならない、より進化するだけなのだ。
3月18日付英国『ガーディアン』は「ロシアによるサイバー攻撃の脅威で、英国の金融、電力、水道で警戒体制」との見出しで以下のように報道している。
元スパイのロシア人男性らにロシア製の神経剤が使われたとされる殺人未遂事件を巡り、英国では、ロシアが英国のインフラ中枢を標的にするのではとの懸念が高まりサイバー攻撃への警戒が高まっている。金融セクター、エネルギー企業、英国の諜報機関トップである英政府通信本部(GCHQ)などが24時間体制の監視対象となっている。
諜報機関職員は、昨年ウクライナの金融・エネルギー・政府機関を標的とし世界に広がった「NotPetya」(マルウェア)によるサイバー攻撃の例を挙げ、ロシアは次は全く別の手で攻撃するのではないかと見ている。
木曜トランプ米大統領は、米国や欧州の原子力施設や水道・電気網を標的とした数々のサイバー攻撃でロシアを批判、米国のエネルギー部門へのサイバー攻撃を初めて公にロシアを批判した。
毎日膨大な数の攻撃を監視しているGCHQ内の国際サイバーセキュリティセンターは、国内の重要なインフラ機関や政府に対し、最新の脅威レベルを通達。元スパイの殺害未遂事件以降目立った動きはないが、ロシアの活動を監視している。
英国立サイバーセキュリティセンター(NCSC)によると昨年以来1100件以上の攻撃を監視、そのうち590件は重大案件であったという。
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