ドナルド・トランプ大統領は、そりが合わなくなってきたレックス・ティラーソン国務長官を突然解任し、同大統領のイエスマンで更に脇を固めようとしている。そしてこの程、同大統領のアキレス腱となっていた、2016年大統領選へのロシア介入疑惑への関与問題について、共和党多数派の下院情報委員会が、共謀の疑いを示す証拠はなかったとの調査報告書案を公表した。これには当然のことながら、民主党議員から、証拠を無視したホワイトハウスのシナリオどおりの報告書案だとの非難の声が上がっている。
3月14日付米
『AP通信』:「下院民主党議員、トランプ陣営・ロシア間共謀の“証拠”は明らかだとアピール」
下院情報委員会のアダム・スキフ民主党議員(57歳、カリフォルニア州選出)は3月13日、同委員会多数派の共和党がリリースした大統領選ロシア疑惑に関わる調査報告書案は、証拠を無視し、ホワイトハウスの言いなりの内容となっていると非難した。
同委員会のマイク・コナウェイ共和党議員(69歳、テキサス州選出)は3月12日、ロシア側とトランプ陣営との共謀の証拠はなかったとする報告書案を公表した。...
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3月14日付米
『AP通信』:「下院民主党議員、トランプ陣営・ロシア間共謀の“証拠”は明らかだとアピール」
下院情報委員会のアダム・スキフ民主党議員(57歳、カリフォルニア州選出)は3月13日、同委員会多数派の共和党がリリースした大統領選ロシア疑惑に関わる調査報告書案は、証拠を無視し、ホワイトハウスの言いなりの内容となっていると非難した。
同委員会のマイク・コナウェイ共和党議員(69歳、テキサス州選出)は3月12日、ロシア側とトランプ陣営との共謀の証拠はなかったとする報告書案を公表した。
そしてコナウェイ議員は、確かに関係者による不注意なロシア側との接触が認められたが、それを共謀罪まででっち上げるのは、トム・クランシー(66歳、軍事・諜報活動を主な題材とする小説家)やビンス・フリン(47歳、テロをテーマにした著書が多い小説家)らの領分だとコメントした。
一方、スキフ議員は、ジョージ・パパドポーラス(30歳、注後記)証言より、ロシア側が大統領選対抗馬のヒラリー・クリントン候補を陥れたことは明白であり、今回の調査報告書案は信用できないとしている。
なお、上院情報委員会も同様の調査を進めていて、数週間内に結果がリリースされる見込みだが、こちらの内容は共和・民主両党がもっと協力したものになるとみられている。
3月13日付中国『環球時報』(『AFP通信』配信):「米下院委員会、トランプ陣営とロシアとの共謀を示す“証拠はなかった”と公表」
共和党が多数派の下院情報委員会はまた、2017年1月に米情報局幹部が結論付けた、ロシア政府がトランプ陣営を勝利させたとの意見陳述も否定した。
同委員会のデビン・ヌーンズ委員長(44歳、カリフォルニア州選出の共和党議員)は、1年以上かけての調査結果が漸くまとまったが、この中に述べた発見事項や提言が、2018年11月の中間選挙への妨害対策や正当性がより改善されることに資することを望んでいると語った。
一方、同委員会の民主党筆頭のスキフ議員は、ロバート・マラー特別検察官によるトランプ氏や側近への捜査が核心を迎えるし、また、同委員会の調査の結果でも、トランプ政権が当初否定したにも拘らず、関係者によるロシア側との秘密裡な会合・会話・交信記録が明らかになっている、と強調している。
(注)ジョージ・パパドポーラス:トランプ陣営の元外交パネルの一員。2017年10月、かつてロシア政府関係者と接触した件につき、連邦捜査局(FBI)に嘘の証言をしたと告白。
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