トランプ氏は、今月1日、安全保障を目的にアルミニウムの輸入製品に10%、鉄鋼に25%の関税をかけることを明言した。同氏は自身のツイッターで「馬鹿げた貿易取引や政策のおかげで、年間8000億ドルもの損失をしている」と表現し、他国との貿易に不均衡があることを主張した。この措置は、これらの製品の最大輸入相手国である中国だけではなく、欧州や日本など全ての国に当てはまるとみられており、各国から非難が集中している。
それにも関わらずトランプ氏は2日も自身のツイッターを通じて「ある国が、取引のある、あらゆる国との貿易で巨額の損失をしているならば、貿易戦争はいいことであり、楽勝だ」と表現した。
中国は、貿易戦争は望まないとしながらも、もし自分たちの経済に打撃があるのであればただ座ってみていることはしないと警告している。中国の議会にあたる全人代の報道官である張業遂(チョウ・ギョウスイ)氏は「両国間である程度の貿易上の軋轢があるのは当然のこと」としたが、「もし中国の利益に影響が出るのであれば、必要な方針をとる。」と述べた。
カナダは、高関税は両国境の分裂を招くことになると表現し、首相のジャスティン・トルドー氏は「カナダの業界を守り続けられるという自信がある。」と話した。
欧州では、欧州委員会のジャン・クロード=ユンケル委員長が声明を発表し「我々は極めて残念に思う」と述べ、ハーレイ・ダビッドソンやケンタッキーのバーボン・ウィスキーなどを具体例に挙げ、報復措置を取る可能性を示唆した。しかし、トランプ氏はもしアメリカ企業にさらに関税をかけるのであれば、今度は欧州の自動車に関税を課すだけだと応酬している。
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