20日に発表された報告書によると、生後約1ヶ月の新生児は、世界で毎分5人が亡くなっており、年間にすると260万にのぼるという。その80%が予防可能な病気などによるもの。国の所得水準に伴って死亡率も変動すると報告書では述べられており、最も安全な国は日本で1111人に1人の割合だった。アイスランドとシンガポールがそれに次いでおり、いずれも約1000人に1人だった。一方死亡率の高かった国は1位がパキスタンで22人に1人、中央アフリカ共和国とアフガニスタンがそれについで高い割合だ。比較すると、最も危険な国で生まれた子どもは、安全な国で生まれた子どもより約50倍高く、新生児で死亡するリスクがあるということになる。
一方で、過去20年間で死亡した1歳から5歳児の割合は62%減少した、ユニセフの事務局長であるヘンリエッタ・フォア氏は「我々は過去25年間で5歳までの子どもの死亡率を下げることには成功したが、生後1ヶ月に満たない子どもの死亡率を下げることはできなかった。死亡の原因の大半が予防可能であることから、我々は最も貧しい国の赤ちゃんを救うのに失敗している。」と述べた。
報告書によれば、生まれるのが最も危険な10の国のうち、8つがサハラ砂漠以南のアフリカ諸国である。そこに住む女性は、貧困、紛争、施設がないなどの理由で妊娠時に十分な援助を受けていない可能性が高いという。新生児の死亡理由の80%以上が、早産や生まれた後の感染症や合併症などであり、それらは訓練された助産師や清潔な水、消毒の確保、しっかりとした栄養補給で防止することが可能である。ただ、ソマリアなどでは1万人に1人の割合しか医療従事者がいないという問題も報告書では指摘されている。
ユニセフは今月から、新生児や妊娠中の女性を支援するグローバルキャンペーンを展開する予定だ。
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