ラクダの乳を原料とした粉ミルクは、アラブ首長国連邦(UAE)に本社を置くキャメリシャス社によって開発された。同社は乳製品メーカーで、世界最大のラクダの飼育場を保有している。今回ドイツで開催された見本市で発表されたのは、オランダの乳製品メーカーであるトリスコム・ホーランドと共同開発された粉ミルクで、1歳から3歳の子ども向けのものだという。
粉ミルクは全世界で数百億ドルにも及ぶ市場規模だが、なかにはアレルギーのため牛乳を飲めない子どもも存在する。...
全部読む
ラクダの乳を原料とした粉ミルクは、アラブ首長国連邦(UAE)に本社を置くキャメリシャス社によって開発された。同社は乳製品メーカーで、世界最大のラクダの飼育場を保有している。今回ドイツで開催された見本市で発表されたのは、オランダの乳製品メーカーであるトリスコム・ホーランドと共同開発された粉ミルクで、1歳から3歳の子ども向けのものだという。
粉ミルクは全世界で数百億ドルにも及ぶ市場規模だが、なかにはアレルギーのため牛乳を飲めない子どもも存在する。CNNが報じた専門家の調べでは2%から3%の子どもはアレルギー症状が出るというが、実際は診察が難しく最大で15%がアレルギーを持っている可能性があるという。こうしたアレルギーへの予防措置として牛乳を使用した製品を与えない母親もいる。
キャメリシャス社はこうした背景に着目し、ラクダの乳から粉ミルクを開発した。同社の副部長兼事業開発担当のムタシェル・アル・バドリー氏は「牛の乳と比べてビタミンCの割合が3倍から5倍含まれる。」と高機能を主張した。実際中東の湾岸地域の遊牧民は、伝統的にラクダの乳を主食にも利用している。また同地域では他にも様々なラクダ料理が作られており、現在注目されている。昨年、アメリカにある乳製品メーカーもラクダの乳から作られた粉ミルクを発売する予定だったが、まだ発表されていない。
一方で、ラクダの乳は母乳の代わりにはなり得ないと主張する専門家もいる。健康ジャーナリストのクリスティー・クーパー氏は「ラクダの乳が母乳に代わる安全な代物になるか?それはないだろう。」と述べている。ヒトが母乳からもらう抗体は複雑で特殊なものであり、赤ちゃんの繊細な体を成長させるのに必要だからだと別の専門家は話した。
同製品は数ヶ月以内にUAEで発売される予定。
閉じる