車や機械類などを輸送する日本の運搬船が今月、ニュージーランドで入港を拒否される事例が相次いでいる。原因は船内にいた害虫のカメムシで、同国の農作物への被害が懸念される中、運搬船は強制退去を命じられ、洋上に留まらざるを得ない事態となっている。
日本と同様に島国であるニュージーランドは、外来の害虫などから自然の生態系を守るために労を惜しまない国である。カメムシは元々東アジアに生息する昆虫であるが、欧米でも見られ、繁殖力が強く、多種の農作物を食べる上に殺虫剤にも強いため、同国のフルーツや野菜などに大きな被害を与える可能性がある。
ニュージーランドの第一次産業省は20日、海外特に日本から流入するカメムシの数が前例のないほど増加していることを明らかにした。...
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日本と同様に島国であるニュージーランドは、外来の害虫などから自然の生態系を守るために労を惜しまない国である。カメムシは元々東アジアに生息する昆虫であるが、欧米でも見られ、繁殖力が強く、多種の農作物を食べる上に殺虫剤にも強いため、同国のフルーツや野菜などに大きな被害を与える可能性がある。
ニュージーランドの第一次産業省は20日、海外特に日本から流入するカメムシの数が前例のないほど増加していることを明らかにした。但し、その原因はよくわかっていない。農業は同国の主要産業の1つであり、人間が運んでくる害虫は大きな脅威だ。
今月ニュージーランド当局に入港を拒否された3隻の日本船は、1万台以上の新車や中古車を積み込んでいたが、荷下ろしができず、洋上に留まらざるを得なくなった。それらは、同国で輸入されるトヨタ、日産、ホンダなど、日本の全自動車メーカーの、全車種の新車・中古車を積み込んでいたとされる。
入港遅延の影響は当該船舶のみならず、日本ではさらに約8,000台の車が輸送待ちの状態にある。現地の輸入業者も、このような深刻な事態は初めてであり、早期に解決しなければ、従業員らを一時帰休させるなどの措置を取らなければならないと、売り上げや雇用への影響を懸念している。
ニュージーランドでは、1990年代後半に自動車の国内生産を完全に停止しており、海外からの輸入に100%依存している。日本は同国にとって、自動車や部品の最大の供給者となっており、輸出額は2017年6月までの1年間で17億ドル(約1,819億円)に上る。
同国政府当局や輸入業者は、急ぎ貨物が入港できるよう動き出した。第一次産業省の報道官によれば、当局は今週、先ず問題となっている運搬船の内の1隻について害虫を取り除いた上で、入港が可能か否かを検証するとしている。また日本から輸入される全ての中古車につき、ニュージーランドへの輸送前に、認定施設での洗浄と検査を義務付けるなどの新たな法規制の整備も行っていくという。
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