ベネズエラでは深刻な経済危機と食料難により、2017年に国民が平均11キロ体重を減らし、約90%の人が貧困生活をしていることが、21日に公表された地元3大学の調査結果により判明した。
本年次調査は、政府の情報では実態がなかなか掴めない中で、同国の人々の生活や健康状態を最も詳細に評価したものの1つである。今回は、数十人の調査員が同国の20歳から65歳までの6,168人について調査を行った。調査結果については、ロイター通信などが21日に報じている。
これによると、同国ではこの数年間に貧困と飢餓の状況が確実に進行している。昨年の同調査で、ベネズエラ人は2016年に平均8キロ体重が減ったと報告されていたが、今回はそれを上回る11キロの減少となった。...
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本年次調査は、政府の情報では実態がなかなか掴めない中で、同国の人々の生活や健康状態を最も詳細に評価したものの1つである。今回は、数十人の調査員が同国の20歳から65歳までの6,168人について調査を行った。調査結果については、ロイター通信などが21日に報じている。
これによると、同国ではこの数年間に貧困と飢餓の状況が確実に進行している。昨年の同調査で、ベネズエラ人は2016年に平均8キロ体重が減ったと報告されていたが、今回はそれを上回る11キロの減少となった。
ベネズエラには3,000万人の人口がいるが、その約4分の1は、1日2食以下で過ごしているという。また調査対象の60%以上の人が、過去3カ月の間に、食料を買う十分な金がなく、空腹で目が覚めたことがあると答えた。
同国は超インフレ状態にあり、人々の収入が目減りしている。野党が多数派を構成する国民議会によれば、今年1月までの1年間で、物価は4,068%上昇したとされており、エコノミストらの数字も概ね一致している。通貨管理により食料輸入が制限されている上、人々は小麦粉などの基礎的な食料品を買うのにも数時間行列に並ばなければならず、栄養状態が悪化して、ビタミンやタンパク質不足となっている。
同調査では、収入やサービスへのアクセスなど13の異なる指標の平均から貧困率を計算している。ベネズエラは1970年代には中南米で最も裕福な国の1つであったが、昨年は87%もの人が貧困状態にあった。貧困率は2014年には48%、2016年には82%だったので、年々悪化している。政府は2015年前半に貧困率を33%としていたが、それ以来データを公表していない。
ベネズエラでは、ニコラス・マドゥロ大統領が2013年に就任以来、経済政策の失敗や原油価格の下落などにより、経済不況に陥った。マドゥロ大統領は、同国の問題は、米国の支援を受けた反政府勢力や企業によって行われた経済戦争によるものと非難している。
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