かねて何度も報じているとおり、ロドリゴ・ドゥテルテ比大統領は、麻薬犯罪撲滅のための超法規的殺人を容認していること等から、欧米首脳はもとより国際人権団体から非難を浴びている。そして今度は、共産ゲリラの抵抗に手を焼いて、フィリピン国軍の紛争費削減にも繋がるとして、同ゲリラ殺害に報奨金を出すと発表した。更に、イスラム過激派の残党によるテロ活動に対抗するため、市民の武装化までも検討し始めている。
2月14日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「ドゥテルテ大統領、戦費削減のため共産ゲリラ殺害者に報奨金支払いを提案」
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は2月14日、反政府勢力と戦争する費用を削減するため、共産ゲリラ1人当り約500ドル(約5万4,000円)の報奨金を支払うと言い出した。更に、鳥を撃つより人間の頭は標的が大きいから容易だろうとも言ってのけた。
同大統領が不遜な発言をしたのは、例によって、国際人権監視団体から自身の直前の発言について、戦争犯罪を誘発するものと非難されたため、向きになったものとみられる。...
全部読む
2月14日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「ドゥテルテ大統領、戦費削減のため共産ゲリラ殺害者に報奨金支払いを提案」
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は2月14日、反政府勢力と戦争する費用を削減するため、共産ゲリラ1人当り約500ドル(約5万4,000円)の報奨金を支払うと言い出した。更に、鳥を撃つより人間の頭は標的が大きいから容易だろうとも言ってのけた。
同大統領が不遜な発言をしたのは、例によって、国際人権監視団体から自身の直前の発言について、戦争犯罪を誘発するものと非難されたため、向きになったものとみられる。
今週初め同大統領は、同国軍兵士に対して、女性共産ゲリラを犯して“使いものにならない”ようにしてしまえと鼓舞する発言をしていた。
一方、2月15日付フィリピン『マニラ・ブルティン』紙:「ドゥテルテ大統領、テロの脅威で国の安全が脅かされる場合に備えて市民の武装化を検討」
ドゥテルテ大統領は2月13日、訪問先のセブ市(セブ島)で、万が一イスラム過激派武装勢力のテロ行為が活発化して、安全が脅かされるような場合には、住民に高性能銃器の保持を認めることも考えると発言した。
同大統領は以前に、高性能銃器が反政府ゲリラ等の手に渡ることを避けるため、高性能銃器の購入は国軍兵士や警察官のみとし、一般市民には認めないとしていた。
しかし、ここへきてイスラム過激派イスラミック・ステート(IS)を信奉したテロリストがフィリピン国内でも活動を活発化し始めており、ルソン島(首都マニラのあるフィリピン北部の島)やビサヤ諸島(ルソン島と南部のミンダナオ島にはさまれた海域にある、セブ島を含めた諸島)で同時テロを起こす恐れがある。そこで同大統領は、万一に備えて住民の武装も必要かと考え始めた模様である。
かつて同大統領は2017年4月、イスラム過激派アブ・サヤフグループと国軍間の紛争激化を睨み、ボホール島(上記ビサヤ諸島の一部)の住民に対して、必要あれば武装を認めると発言していた。
閉じる