トランプ米大統領が国防総省に対し、大規模な軍事パレードの開催を要請したことが明らかになった。6日にホワイトハウスが発表した。米国では軍事パレードの実施は異例であるが、国の力を誇示し、自身の最高司令官としての役割を強調する狙いがあるものと見られている。
トランプ大統領は先月18日に国防総省幹部との会合に出席したが、その際に軍事パレードの開催の検討を命じたと米メディアが報じている。会合にはマティス国防長官、ダンフォード統合参謀本部議長らも出席していた。
ホワイトハウスのサンダース報道官は声明を発表し、「トランプ大統領は、日々命を賭して我が国の安全を守ってくれている米国の偉大な軍人らを大いに支持している。」と述べた上で、「大統領が国防総省に対し、全ての米国民が感謝を表すことのできる祝賀の式典を検討するよう要請した。...
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トランプ大統領は先月18日に国防総省幹部との会合に出席したが、その際に軍事パレードの開催の検討を命じたと米メディアが報じている。会合にはマティス国防長官、ダンフォード統合参謀本部議長らも出席していた。
ホワイトハウスのサンダース報道官は声明を発表し、「トランプ大統領は、日々命を賭して我が国の安全を守ってくれている米国の偉大な軍人らを大いに支持している。」と述べた上で、「大統領が国防総省に対し、全ての米国民が感謝を表すことのできる祝賀の式典を検討するよう要請した。」と明らかにした。国防総省は大統領の要請は認識しており、時期も含めて可能性を検討し始めていることを認めた。
トランプ大統領は、就任前から自国での軍事パレード実施の構想を持っていたが、昨年7月14日、フランス革命記念日のパレードをパリで観覧して以来、本格的に実施を考えるようになったと見られている。パリで開催された軍事パレードは、フランスの革命記念日を祝うとともに、米国の第1次世界大戦参戦100周年を記念して、フランス軍兵士らが行進した。戦車や軍事用車両も登場し、米仏両軍の戦闘機も上空を飛行して参加した。
9月にニューヨークでフランスのマクロン大統領と会談した際に、トランプ大統領は、パリでの軍事パレードに感銘を受けたとして、首都ワシントンでのパレードを検討していると述べていた。「私が目にしたものによるところが大きいが、7月4日(米独立記念日)にペンシルベニア大通りでそのようなことを何かするかも知れない。我々は実際に検討している。」と大統領は当時、記者団に語っている。
ワシントンでは戦勝記念日などの機会をとらえ、軍の大きな行事が開催されることはあったが、独立記念日に目抜き通りのペンシルベニア大通りに戦車が繰り出し、兵士らが行進するというのは極めて異例のことだ。開催の検討がメディアに報じられると、独裁国の行事のようだと批判が沸き起こった。民主党のマクガバン下院議員は「何とばかげた浪費か。トランプは大統領というより独裁者として振る舞っている。」と痛烈に批判した。
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