米宇宙企業スペースXは6日、同社が開発した世界最強の大型ロケット「ファルコンヘビー」の打ち上げに成功した。今回が初の試験飛行であり、フロリダ州ケープカナベラルの米航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センターから打ち上げられた。
ファルコンヘビーは現在最も強力なロケットで、これまでで最強だったロケット、デルタ4ヘビーの2倍の発進力がある。2段式で全長は約70メートル、1段目には打ち上げ実績のある同社ロケットのファルコン9を3つ連ねた形のブースターを使っており、27基のエンジンを搭載している。国際宇宙ステーションに物資を運んだり、衛星を打ち上げたりすることを想定し、スペースXが開発しているものである。
ロケットにはイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のテスラ製の真っ赤な電動スポーツカーが積み込まれ、同社が開発した宇宙服を着たマネキンが置かれた。...
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ファルコンヘビーは現在最も強力なロケットで、これまでで最強だったロケット、デルタ4ヘビーの2倍の発進力がある。2段式で全長は約70メートル、1段目には打ち上げ実績のある同社ロケットのファルコン9を3つ連ねた形のブースターを使っており、27基のエンジンを搭載している。国際宇宙ステーションに物資を運んだり、衛星を打ち上げたりすることを想定し、スペースXが開発しているものである。
ロケットにはイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のテスラ製の真っ赤な電動スポーツカーが積み込まれ、同社が開発した宇宙服を着たマネキンが置かれた。地球と火星の間の太陽を回る軌道を目指しているという。
巨大なロケットが轟音を響かせて青空に打ちあがると、ケネディ宇宙センターや、周辺のビーチ、桟橋、道路などでこれを見ていた数千人の観衆から叫び声と歓声が沸き起こった。NASAの同センターは、50年近く前に人類を初めて月に送った米国の月探査ミッションで使われていた場所である。
カリフォルニア州のスペースXの管制センターでは、コメンテイターのローレン・ライオンズ氏が発射の状況について説明する毎に、従業員が叫び声や口笛、こぶしを上げたポーズで応じた。
ファルコンヘビーが約2分間飛行すると、以前別のロケットの発射の際に使用済で、リサイクルされた両側の2つのブースターが切り離された。それらは地上に誘導され、数分後にケープカナベラルに戻り、並んで垂直に着陸した。中央の新品のブースターも、約480キロ離れた海上のプラットフォームに無事着陸した。殆どのロケットメーカーは使用済のブースターを海に捨ててしまうが、スペースXでは発射のためのコストを削減するために再利用している。
マスクCEOは5日、今後さらに大きなロケットの開発を目指し、最終的な目標は、火星に都市を建設することだと記者団に語っている。
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