トランプ政権は今月初め、昨年12月発表の中国の軍拡に対抗する国家安全保障戦略に続いて、今後5~10年の核政策の指針となる核戦略見直し方針を発表した。中国やロシア、北朝鮮への対抗姿勢を鮮明にし、新たな小型核兵器の開発や、非核攻撃への反撃にも核を使用する可能性を示唆している。中ロ両国は、当然これに猛反発しているが、米国は更に、アジア太平洋圏での中国の覇権主義を食い止める必要があるとして、今週開かれる「シンガポール国際航空展示会」(注後記)の機会を利用して、米外交特使が先頭に立って、東南アジア諸国他に米国製武器の販売を促進しようとしている。
2月5日付
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「米外交特使、中国の縄張りで米国製武器販売に注力」
米国製武器の販売業務を監督する米外交特使が2月5日、中国の軍事的影響力が強い東南アジア諸国向けに、今週開催される「シンガポール国際航空展示会」の機会を捉えて、米国製武器の販売促進を試みると表明した。
米国の大規模派遣団を代表するティナ・ケイダノー国務省政治・軍事関係次官補は、例えば最新鋭のF-35ステルス戦闘機などを売り込んでいくと語った。...
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2月5日付
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「米外交特使、中国の縄張りで米国製武器販売に注力」
米国製武器の販売業務を監督する米外交特使が2月5日、中国の軍事的影響力が強い東南アジア諸国向けに、今週開催される「シンガポール国際航空展示会」の機会を捉えて、米国製武器の販売促進を試みると表明した。
米国の大規模派遣団を代表するティナ・ケイダノー国務省政治・軍事関係次官補は、例えば最新鋭のF-35ステルス戦闘機などを売り込んでいくと語った。
同次官補は、先月末にベトナムを訪問して後、シンガポールに入った。ベトナムはかつての米国の敵国であったが、同次官補の前にベトナム訪問したジム・マティス国防長官は、同国国防相と会談し、米軍艦のベトナム寄港について協議をしている。
そして同次官補も、昨年に米国がベトナムに供与した沿岸警備艇が、海洋安全保障上有益であることを確認し、領有権問題で圧力をかけてきている中国に対抗するため、更なる米国製装備品の提供を検討している。
トランプ政権は昨年12月、国家安全保障戦略を発表し、台頭してきている中国を念頭に、インド・太平洋地域において、米国のプレゼンスを再構築する方針を明らかにしている。
なお、同次官補は、同国際航空展示会において、日本、カナダの他、東南アジア諸国代表とも会合を持ち、“安全保障のみならず地域内のパワーバランス維持”のため、米国製武器の購入を考えるよう訴えていくと付言した。
更に同次官補は、今後とも定期的に南シナ海において、航行の自由作戦を執っていくとも明言した。
(注)シンガポール国際航空展示会:シンガポールで開催されるアジア最大の国際航空展示会で、今年は2月6~11日に開催。世界中の航空機メーカーやエンジンメーカー、大手部品メーカーなど約1,000社が出展する国際的なイベント。今回は、エアバス・ボーイング等世界の大手航空宇宙企業100社のうちの65社が出展しており、13万人余りの幅広い分野の航空業界関係者が来場すると見込まれている。
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