英国政府は23日、偽情報対策に取り組むため、新たな国家安全保障の専門組織を立ち上げると発表した。テリーザ・メイ英首相は昨年、ロシアがフェイクニュースを利用して、西側諸国の政府機関などを攻撃していると非難しており、同国の政治工作などを封じることが目的と考えられている。
新設の国家安全保障通信部門(National Security Communication Unit)は、閣僚や安全保障当局の幹部で構成される「国家安全保障会議」で創設が承認された。新組織がどの省庁に所属するのか、スタッフの陣容などの詳細については、未だ明らかにされていない。
首相官邸の報道官は、新組織について、「我々はフェイクニュースや矛盾した話の時代に生きている。英政府は、こうした相互に関連した、複雑な課題に取り組むために、新組織をうまく活用して対応していく。...
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新設の国家安全保障通信部門(National Security Communication Unit)は、閣僚や安全保障当局の幹部で構成される「国家安全保障会議」で創設が承認された。新組織がどの省庁に所属するのか、スタッフの陣容などの詳細については、未だ明らかにされていない。
首相官邸の報道官は、新組織について、「我々はフェイクニュースや矛盾した話の時代に生きている。英政府は、こうした相互に関連した、複雑な課題に取り組むために、新組織をうまく活用して対応していく。」と説明している。さらにその任務については、「外国の行為などによる偽情報を取り締まること」として、「より組織的に敵対者を阻止し、我々が国家安全保障の優先事項を遂行しやすくなるように支援すること」と語った。
11月の演説でメイ首相は、ロシアは選挙への介入など、ネット上のスパイ活動や妨害行為を支援していると非難していた。「情報を兵器化しようとしており、国営メディアに偽情報や写真を合成したイメージを作らせ、西側諸国に分断の種をまいたり、政府機関を攻撃したりしている。」と批判している。
ロシアは、2016年の英国の欧州連合(EU)からの離脱に関する国民投票や、同年の米大統領選挙、2017年のフランスやドイツの総選挙など、外国の選挙への介入は一切したことはないと一貫して否定している。
メイ首相は、選挙への介入などの行為は成功しないだろうと指摘した上で、「英国は自国を守るために必要な手を打ち、同盟国とも連携していく。」と強調した。
英国の国会議員団は、2016年のEU離脱の国民投票や2017年の英総選挙を巡り、ロシア政府につながるフェイスブックのアカウントが投稿した有料広告などの情報を、米フェイスブックに要求しており、米国内と同様の動きが広がっている。
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