米ソーシャルメディア大手のフェイスブックは19日、ニュースの表示方法を変更し、利用者の意見に基づき、信頼できるものを優先することとし、偽の情報を流したり、社会の分断を煽ったりする動きと戦っていくことを明らかにした。
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ会長兼最高経営責任者(CEO)は19日、同社の重要コンテンツの1つであるニュースの配信について、今後は利用者の意見を参考にして、信頼できない情報源からのものではなく、質が高く「信頼できる」ニュースを優先して表示し、扇情的表現や偽の情報に対抗していくと述べた。
ニュースの価値については、専門家やフェイスブックの幹部社員などではなく、20億人以上の月間利用者が、信頼度の観点から報道機関を順位付けする。...
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フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ会長兼最高経営責任者(CEO)は19日、同社の重要コンテンツの1つであるニュースの配信について、今後は利用者の意見を参考にして、信頼できない情報源からのものではなく、質が高く「信頼できる」ニュースを優先して表示し、扇情的表現や偽の情報に対抗していくと述べた。
ニュースの価値については、専門家やフェイスブックの幹部社員などではなく、20億人以上の月間利用者が、信頼度の観点から報道機関を順位付けする。当初同社は、利用者に虚偽の情報であると指摘してもらうことにより、故意に流された誤報に対処するとしていたが、方針を変更した。同社はまた、ニュースの現場に近い、地元のニュースメディアなどの情報源にも重点を置いていく考えも示した。
フェイスブックは自身をメディアと称していないが、近年では様々なメディアやブランド企業が、同社の情報へのアクセスの利便性などの利用価値に注目しており、ニュースなどの情報の投稿が増加している。世界最大のSNSを提供し、国や地域によってはニュース配信の中核を担う同社の決定は、各国のメディア界に大きな影響を与えそうだ。今回の変更は、ニュースメディアによるリンクの投稿ばかりでなく、個人が共有するニュース記事も対象としている。
ザッカーバーグ会長は、同社の方針について「今日世界では、扇情的な表現や虚偽の情報、社会の分断化が横行している。ソーシャルメディアによって、かつてないほどに情報を早く拡散することが可能となったため、もしこうした問題に取り組まなければ、それらを増幅するだけに終わってしまう。」と説明している。
フェイスブック上のニュースについては、2016年の米大統領選挙期間中に、営利目的のスパム送信者によって偽情報が流されるなど、ロシアからの情報操作があったと言われており、その質が疑問視されていた。当時フェイスブック上には、ローマ法王が共和党のドナルド・トランプ候補を支持した、連邦の機関がヒラリー・クリントン候補の死亡事件を調査している、などの偽情報が掲載された。
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