香港の活動家、黄之鋒(Joshua Wong)被告(21)は17日、2014年の11月に民主派が道路を占拠していた九竜地区の繁華街の幹線道路で、高裁の道路占拠禁止命令による当局の排除活動を妨害したとして、3月の禁錮刑を言い渡された。
同被告の収監は2回目となる。雨傘運動が始まる直前の2014年9月、香港行政府の敷地内に乱入し、警官隊と衝突した事件で、昨年の8月に禁錮6月の判決を受けたが、本件は香港の終審法院(最高裁)にまで上訴されており、その間の保釈が認められていた。...
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香港の活動家、黄之鋒(Joshua Wong)被告(21)は17日、2014年の11月に民主派が道路を占拠していた九竜地区の繁華街の幹線道路で、高裁の道路占拠禁止命令による当局の排除活動を妨害したとして、3月の禁錮刑を言い渡された。
同被告の収監は2回目となる。雨傘運動が始まる直前の2014年9月、香港行政府の敷地内に乱入し、警官隊と衝突した事件で、昨年の8月に禁錮6月の判決を受けたが、本件は香港の終審法院(最高裁)にまで上訴されており、その間の保釈が認められていた。
今回、仲間の活動家の黄浩銘(Raphael Wong)被告も同じ罪状で禁錮4月半の判決を受け、収監されることとなった。身柄を拘束された際、同被告は「我々の民主化のための戦いは変わらない。」と叫んだ。岑敖暉(Lester Shum)被告など、他の14人の被告は、刑の執行を猶予された。
10代で雨傘運動を率いた黄之鋒被告は入廷前に、運動を主導したことについて「後悔はない」と強調し、「当局は我々の肉体を拘束できるが、精神は拘束できない。」と記者団に語っている。
多くの支持者が高裁の外に集まり、「市民の反抗だ。恐れるものはない。」「私は香港人だ。普通選挙権を求める。」などと声を上げた。一方、中国国旗を振って香港行政府を支持する中国政府寄りの一団もその場に現れ、活動家らを非難する横断幕を掲げ、刑務所で報いを受けるべきであると主張した。
雨傘運動は、香港の行政長官を選ぶ制度に不満を持つ民主派の市民らが、普通選挙を要求し、香港各地を3カ月近く占拠した、前例のない大規模な中国政府に対する抗議運動だった。しかしながら、民主派は政府から結局譲歩を引き出せず、運動を主導した活動家らは、その関与について相次いで処罰を受けている。中国政府はそれ以降、香港の独立等を求める活動家らの出現に神経をとがらせ、締め付けを強める。香港は「一国二制度」の原則の下、中国本土にはない言論の自由を含む市民の権利が認められてきたが、そうした自由が次第になくなりつつあるとの懸念が、民主派の間に広がっている。
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