米海洋大気庁(NOAA)は8日、テキサス州オースティンで開催されたアメリカ気象学会の年次総会で、2017年の米国での自然災害による経済損失が3,060億ドル(約34兆6,000億円)に上ったとする報告書を公表した。米国では昨年、ハリケーンや山火事、寒波、洪水などが相次ぎ、損失額は過去最高となった。
NOAAの8日の報告によると、山火事やハービー、マリア、イルマなどのハリケーンの襲来、山火事、洪水、雹、竜巻、干ばつ等により、2017年の自然災害による経済損失額はこれまでの記録であった2005年の2,150億ドルを超え、過去最大となった。2005年にはカトリーナ、ウィルマ、リタなどの大型ハリケーンが襲来している。
昨年、10億ドル超の損害をもたらした大災害は16件あり、内訳は8件の暴風雨、3件のハリケーン、2件の洪水と、山火事、寒波、干ばつによるもので、件数ベースでは、これまで最多だった2011年に並んだ。...
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NOAAの8日の報告によると、山火事やハービー、マリア、イルマなどのハリケーンの襲来、山火事、洪水、雹、竜巻、干ばつ等により、2017年の自然災害による経済損失額はこれまでの記録であった2005年の2,150億ドルを超え、過去最大となった。2005年にはカトリーナ、ウィルマ、リタなどの大型ハリケーンが襲来している。
昨年、10億ドル超の損害をもたらした大災害は16件あり、内訳は8件の暴風雨、3件のハリケーン、2件の洪水と、山火事、寒波、干ばつによるもので、件数ベースでは、これまで最多だった2011年に並んだ。また、これらにより少なくとも360人が死亡したが、ハリケーン・マリアによるプエルトリコでの死者がさらに明らかになれば、死者数はかなり増える可能性があるという。
NOAAでは損失額をインフレ調整し、1980年から10億ドル超の大災害を記録しているが、昨年は、損失額の面で過去最大のハリケーン5つの内、3つが襲った年だった。テキサス州に大洪水をもたらしたハービーの損失額は1,250億ドルで、2005年のカトリーナに次いで2番目のハリケーンだった。プエルトリコの大部分に壊滅的な被害をもたらしたマリアは900億ドルで3番目、フロリダ州やカリブ海諸国を襲ったイルマは500億ドルで5番目だった。
西部カリフォルニア州の多くの地域で発生した山火事による損失額は180億ドルで、これまでの年間最高額の3倍を記録した。
NOAAによれば、米国の昨年の年間平均気温は華氏54.6度(摂氏12.6度)で、20世紀の平均気温を華氏で2.6度上回り、1895年に統計を取り始めて以来、2012年、2016年に次ぎ3番目に高かった。米国では21年続けて年間平均気温が平年を上回っており、州単位でも3年連続で全50州が平年を上回った。トランプ政権は地球温暖化による気候変動の影響を疑問視しているが、NOAAは気候変動が経済的なリスクにつながるものであることを強調している。
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