欧州連合(EU)の首脳会議が14日に始まり、各国首脳は同日、英国のEU離脱に関するメイ英首相のこれまでの取り組みを評価し、移行期間や通商に関する協議等、離脱に向けた次の段階へと進むために十分な進展があったとの認識を示した。
メイ首相は14日、EU加盟国首脳らに対し、離脱に向けた交渉は順調に進んでいると状況を報告し、交渉の加速化を促した上で、英国の離脱は「英国とEUの最善の利益」であると語った。各国首脳はこれに対し称賛を送った。
会議後メイ首相は「非常に良い協議ができた。将来の通商関係や安全保障関係の協議を楽しみにしている。」と述べたが、英国政府当局も首相は次の段階に近づいているとの見方を示した。英国を除く27加盟国は、引き続き協議を行い、通商関係等の交渉に入ることを承認する見通しだ。...
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メイ首相は14日、EU加盟国首脳らに対し、離脱に向けた交渉は順調に進んでいると状況を報告し、交渉の加速化を促した上で、英国の離脱は「英国とEUの最善の利益」であると語った。各国首脳はこれに対し称賛を送った。
会議後メイ首相は「非常に良い協議ができた。将来の通商関係や安全保障関係の協議を楽しみにしている。」と述べたが、英国政府当局も首相は次の段階に近づいているとの見方を示した。英国を除く27加盟国は、引き続き協議を行い、通商関係等の交渉に入ることを承認する見通しだ。トゥスク欧州議会議長が15日にメイ首相に結果を報告することとしている。
ドイツのメルケル首相は、「メイ英首相が十分な進展があることを示した」ので、通商協議入りを承認したが、「それにも関わらず、解決すべき問題が多くあり、時間は限られている。」と記者団に語り、警告した。
6月の英総選挙で保守党が過半数を割った後、政府や党の間には亀裂が見られ、メイ首相も求心力を失ったが、これまでは何とか、英国がEUに支払う手切れ金、アイルランドとの国境問題、英国内のEU市民の権利関係の保護等、第一段階の交渉を続けてきた。英国の離脱後の姿を巡っては、閣僚らの間にも主張の違いが目立っており、次の段階の交渉では、首相の指導力がさらに厳しく問われることになる。
英国が離脱する2019年3月以降、約2年の移行期間を設けることに関し、EUは1月から交渉を開始したいとしているが、3月から通商関係の交渉を開始する前に、英国が求める詳細条件を提示するよう要求している。
首脳らはその後もアフリカや中東からの移民問題への対応と、負担をいかに分担するかに関する加盟国間に残る意見の相違等について協議した。またウクライナ危機を巡り、2014年7月に発動したロシアへの経済制裁の延長や、トランプ米大統領のエルサレムをイスラエルの首都に認定したことに対し、反対の立場を表明すること等を確認した。
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