ペンス米副大統領が19日からエジプト、イスラエル両国を訪問する。ホワイトハウスが14日に発表した。トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことにより、先行きが不透明となっているパレスチナ問題などを協議する。
ホワイトハウスは14日、ペンス副大統領が19日に米国を出発し、最初の訪問国であるエジプトへ向かうと述べた。副大統領はもともと、16日に先ずイスラエルを訪問する予定だったが、大詰めを迎えている税制改革法案の議会審議のためにこれを遅らせ、訪問順も変更した。また、パレスチナ自治政府首脳や、エジプトのイスラム教とキリスト教の聖職者らが会談に難色を示しているため、全体の日程を短縮した。
米国議会では副大統領が上院の議長を兼ねているが、ペンス氏は中東訪問の日程を変更したことにより、来週の税制改革法案の審議で議長を務めることができる。...
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ホワイトハウスは14日、ペンス副大統領が19日に米国を出発し、最初の訪問国であるエジプトへ向かうと述べた。副大統領はもともと、16日に先ずイスラエルを訪問する予定だったが、大詰めを迎えている税制改革法案の議会審議のためにこれを遅らせ、訪問順も変更した。また、パレスチナ自治政府首脳や、エジプトのイスラム教とキリスト教の聖職者らが会談に難色を示しているため、全体の日程を短縮した。
米国議会では副大統領が上院の議長を兼ねているが、ペンス氏は中東訪問の日程を変更したことにより、来週の税制改革法案の審議で議長を務めることができる。トランプ大統領と共和党は、現政権の最重要案件の1つである、大幅な法人減税などを盛り込んだ法案を来週始めにも採決したいと考えているが、共和党は上院では52対48の僅差で多数を維持しているため、万一賛否同数となった場合に、議長を務めるペンス氏が自身の最終決定の投票により採決ができるようにするという。共和党では最近、アリゾナ州選出の重鎮、ジョン・マケイン上院議員や、ミシシッピー州選出のサッド・コックラン上院議員が健康上の理由により、投票できなかったことがあった。
ペンス副大統領はまた、当初パレスチナ自治政府のアッバース議長とも会談の予定であったが、トランプ大統領のエルサレムをイスラエルの首都として認定したことに同議長側が反発して拒否したため、スケジュールを短縮した。
ペンス副大統領は、20日にカイロでエジプトのシシ大統領と会談した後、イスラエルに移動し、「嘆きの壁」を訪問する。21日にはイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、同国の国会で演説した後、首相と夕食を共にする。22日は同国のリブリン大統領と会談し、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺の犠牲者を追悼する記念館、ヤド・ヴァシェムを視察する。
エルサレムの位置づけは、数十年にわたるイスラエルとパレスチナの対立の主要な論点だ。トランプ大統領の宣言は、イスラエル側に立つものと解釈されている。これまでの米国の海外政策を大きく転換し、エルサレムの位置づけは、イスラエルとパレスチナの交渉で決めるという国際的合意に反するものと言われている。
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