米英語辞典のメリアム・ウェブスターは12日、オンライン検索数が前年と比較して大きく増加した言葉や表現に贈られる賞である「ワード・オブ・ザ・イヤー」に「フェミニズム」が選ばれたことを発表した。
メリアム・ウェブスターによると、2017年に同社のサイトで「フェミニズム」を調べるために検索された回数は、いくつかの重要な報道やイベント後に急増し、2016年対比で70%増加したという。
今年はトランプ米大統領が就任し、翌日に首都ワシントンを始めとして各地で女性が主導するデモ「女性の行進(Women’s March)」が行われるなど、抗議活動が全米に拡大した。また、トランプ政権の誕生に貢献したケリーアン・コンウェー大統領上級顧問が2月に「自分自身を伝統的な意味でのフェミニストと呼ぶのは難しい」と発言したことや、動画配信サービス「フールー(Hulu)」で人気のある「侍女の物語(ハンドメイズ・テイル)」、女性監督のパティ・ジェンキンス氏による映画「ワンダーウーマン」のヒットも検索数の増加に寄与したとされる。...
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メリアム・ウェブスターによると、2017年に同社のサイトで「フェミニズム」を調べるために検索された回数は、いくつかの重要な報道やイベント後に急増し、2016年対比で70%増加したという。
今年はトランプ米大統領が就任し、翌日に首都ワシントンを始めとして各地で女性が主導するデモ「女性の行進(Women’s March)」が行われるなど、抗議活動が全米に拡大した。また、トランプ政権の誕生に貢献したケリーアン・コンウェー大統領上級顧問が2月に「自分自身を伝統的な意味でのフェミニストと呼ぶのは難しい」と発言したことや、動画配信サービス「フールー(Hulu)」で人気のある「侍女の物語(ハンドメイズ・テイル)」、女性監督のパティ・ジェンキンス氏による映画「ワンダーウーマン」のヒットも検索数の増加に寄与したとされる。
さらに、ハリウッドの大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑に端を発した「ミートゥー(Me Too)」運動で、「沈黙を破った人たち(silence breakers)」が被害の声を上げる動きが全米に広がったことも検索数の急増につながった。裕福で著名な政治家、メディア、芸能界等の権力を保持する男性らが厳しい非難を浴び、相次いで失脚している。
「フェミニズム」はこの数年間、年間トップ10に挙げられており、2015年には他の「イズム(-ism)」、すなわち「ソーシャリズム(Socializm)」、「レーシズム(Racism)」「テロリズム(Terrorism)」などの一連の「イズム(-ism)」で終わる言葉群として「ワード・オブ・ザ・イヤー」となっている。2016年は「シュールレアル(Surreal、超現実)」が栄冠を得た。
メリアム・ウェブスターによると、当初「フェミニズム」という言葉には政治的な意味はなく医学的な意味を表す言葉だったという。現在版の同辞書には、「性別の政治的、経済的、社会的な平等の理論」、「女性の権利と利益のための組織化された活動」と定義されている。
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