ロシア法務省は5日、外国から資金を受け取っているなどとして、ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティ(RFE/RL)、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)等米系メディア9社を「外国の代理人」に指定した。外国メディアを代理人に指定し、規制する法律が11月25日から施行されており、指定は初めてのことである。正式に指定されると記事などにその旨を記載する必要がある他、ロシア当局の抜き打ち検査の対象にもなる。
ロシア法務省は、同省のウェブサイト上に5日、声明を出し、米国政府が支援するVOAとRFE/RL、およびRFE/RLによって運営されている7社のロシア語または地元言語によるメディアを「外国の代理人の役割を果たしている。」として正式に指定をした。
今回の動きは、米国のロシアメディアに対する圧力への報復措置であるという。昨年の米国の大統領選挙時にトランプ氏が有利となるよう介入したとされるロシアのメディア「ロシア・トゥデー」(RT)が米司法省から「外国の代理人」としての登録を求められた。...
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ロシア法務省は、同省のウェブサイト上に5日、声明を出し、米国政府が支援するVOAとRFE/RL、およびRFE/RLによって運営されている7社のロシア語または地元言語によるメディアを「外国の代理人の役割を果たしている。」として正式に指定をした。
今回の動きは、米国のロシアメディアに対する圧力への報復措置であるという。昨年の米国の大統領選挙時にトランプ氏が有利となるよう介入したとされるロシアのメディア「ロシア・トゥデー」(RT)が米司法省から「外国の代理人」としての登録を求められた。このためロシアはメディア法の整備を急ぎ、プーチン大統領が先月25日に署名していた。
RFE/RLのトーマス・ケント社長は、ビデオ声明で、同社はロシアでの報道業務を続けるが、さらに制限が科されることも予想されるとして、「今のところ、規制の全体像がわからない。法務省他のロシアの当局組織からの全ての伝達事項を注意深く検討する。」と述べた。VOAは本件についてコメントしていない。ロシアでは来年3月に大統領選挙を控えて外国メディアへの警戒感が高まり、今後さらに規制が拡大する可能性がある。
外国の代理人として指定されると、ロシアの視聴者に対して発行あるいは放送するいかなる情報にも、「外国の代理人」に指定されたことに関する記述を含めなければならない。また、ロシア政府に対し、資金の供給先や使い方、報道の目的、誰が責任者か等に関する定期的な報告をしなければならない。そして規則に則っているかを当局が確認するための抜き打ち検査の対象にもなる。ロシアメディアによれば、同国の議会が指定メディアの入場を禁止する方針であるという。
VOAとRFE/RL以外の7社には、ロシアがウクライナから2014年に併合したクリミア半島に関するニュースを提供しているもの、北コーカサス地方やタタール地方のイスラム教徒やシベリア等のロシアの地方に関するニュースを提供するもの、オンラインTVステーション、ニュースポータルでロシア当局の声明の事実確認をしているものなどがある。
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