米国の小売店やネット通販業者が一斉にセールを行うブラックフライデー商戦で、トランプ大統領の就任以来不振だった銃の売り上げが急増していることがわかった。28日までに多くの米メディアが報じている。
ブラックフライデーは、電化製品や衣料品などの掘り出し物を探す米国人にとって魅力的な日だが、別のタイプの商品が主要な売れ筋商品になっている。銃である。感謝祭以降のホリデーショッピングが始まり、狩猟の季節を前にしたブラックフライデーは、一年で銃の売り上げが最も伸びる時期だ。
各州の銃販売店では、24日のブラックフライデー当日から週末にかけて、売り上げや利益が昨年を上回ったところが多かったという。...
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ブラックフライデーは、電化製品や衣料品などの掘り出し物を探す米国人にとって魅力的な日だが、別のタイプの商品が主要な売れ筋商品になっている。銃である。感謝祭以降のホリデーショッピングが始まり、狩猟の季節を前にしたブラックフライデーは、一年で銃の売り上げが最も伸びる時期だ。
各州の銃販売店では、24日のブラックフライデー当日から週末にかけて、売り上げや利益が昨年を上回ったところが多かったという。ジョージア州アトランタ郊外のある販売店では、グロックやスミス&ウェッソン製の拳銃、モスバーグ製の護身用散弾銃等の売れ行きが好調で、半自動拳銃やライフル銃の弾丸等も良く売れたと喜んでいた。
FBI(米連邦捜査局)は24日のブラックフライデーに、20万3,000件もの銃購入者の身元調査の依頼を受け、1日あたりの調査件数の最高を記録したことを発表している。その前の最高記録も2016年のブラックフライデーの18万5,000件であり、さらにその前の記録も2015年の同日のものだった。
今回の銃の売り上げの急増は、銃メーカーが、オバマ政権による銃規制法の強化を恐れて生産を増強した後、在庫過剰となって価格を下げたことによるものだ。2016年の大統領選でトランプ大統領が就任し、共和党が与党になれば、銃規制強化の可能性は低くなるとの見通しにより、銃の売れ行きはずっと不振だった。ブラックフライデーの好調さは、レミントン他の大手が積極的な割引や熱心な宣伝活動を行った結果であり、これが不振を完全に挽回する起爆剤になると言い切ることは難しい。
銃の小売市場の状況も変化している。アウトドア用品や銃の小売業者であるバス・プロ・ショップスやカベラスは合併し、競争相手のギャンダー・マウンテンは会社を清算中だ。ディックス・スポーティング・グッズは狩猟ビジネスでの売り上げが落ち気味であると言われる。現在は、小売りチェーンのカベラスが、ピストルやショットガンの値引きや割戻しを行っている他、ウォルマート他の小売店でも銃の販売促進策を展開している。
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