調査を行ったのは経済協力開発機構(OECD)で、国際的な学習到達度調査(PISA)の一環として行われた。21日に発表されたのは対象国52ヶ国の15歳、12万5000人の「協同で問題を解決する力」を評価したものだ。その内容は、グループのそれぞれが異なる情報を与えられて情報交換をしながら取り組む課題や、全員の意見を考慮して結論を出す課題、交渉が必要となる課題など他の人との協力が必要な課題だ。
その結果、シンガポールが561ポイントで1位となり、2位は552ポイントで日本だった。...
全部読む
調査を行ったのは経済協力開発機構(OECD)で、国際的な学習到達度調査(PISA)の一環として行われた。21日に発表されたのは対象国52ヶ国の15歳、12万5000人の「協同で問題を解決する力」を評価したものだ。その内容は、グループのそれぞれが異なる情報を与えられて情報交換をしながら取り組む課題や、全員の意見を考慮して結論を出す課題、交渉が必要となる課題など他の人との協力が必要な課題だ。
その結果、シンガポールが561ポイントで1位となり、2位は552ポイントで日本だった。シンガポールは読解力や、数学的、科学的に読み解く力といった学力面でもトップだった。東アジアではこの他に韓国、香港、マカオ、台湾が平均点以上をマークしたが、中国はソーシャルスキルが26位、学力は10位と及ばなかった。また、ヨーロッパではエストニアが4位、フィンランドが5位となり好成績を残した。アメリカは学力の方は平均以下の成績だったが、ソーシャルスキルでは13位だった。
またこの調査を男女別に見てみると、どの国においても女子の方が男子よりも成績が良いという結果が出た。特にオーストラリア、ラトビア、フィンランド、ニュージーランド、スウェーデンでは40ポイント以上引き離すなど差が広がっていた。女子は他者の意見に関心を持ったり、他者の成功を喜ぶなどの傾向があるが、男子はチームワークが目的達成の手段と考えている傾向がわかった。アナリストによれば、女子の方が男子よりも社会の現場に適しており、現代的な働き方に対応できるのではないかと評価している。
OECDのホセ・アンヘル・グリア事務総長は「ソーシャルスキルの高まりが背景にあるこの世界では、学校のカリキュラム全体でそのスキルを育成するため教育システムの改善が必要となる」とし、「親や社会も同様の役割を果たす必要があり、子供たちがスキルを向上させるためにはコミュニティー全体で協力していく必要がある」と述べた。
閉じる