11月15日付Globali「トランプ大統領、習国家主席に米製航空機大量購入依頼だけでなく、万引きで逮捕・拘留の米大学生の恩赦も要請」の中で、“ドナルド・トランプ大統領は初のアジア歴訪時、中国において米大学リーグ開幕戦を行うために訪中していたカリフォルニア大ロス・アンゼルス分校（UCLA）のバスケットボール・チームの3選手が、万引き容疑で逮捕・拘留されていることを聞き及ぶや、習近平（シー・チンピン）国家主席に、特別な計らいを要請していた。”と報じた。その甲斐あってか、当該3人の学生は間もなく釈放され、チームに遅れること僅か2日で帰国の途に就くことができた。しかし、同大統領は、学生のうちの1人の父親である元全米フットボールプレーヤーの実業家が、“大統領の仕事ではない”として謝意さえ表明しなかったことから、余計なことをせずに5年でも10年でも中国に拘留させておけばよかったと怒りの言葉でツイートしている。

11月22日付米『Foxニュース』（『AP通信』配信）：「“哀れな男ドン・キング”：不和が高じてトランプ大統領がバスケットボール選手の父親であるラバー・ボール氏を揶揄」 　
　ドナルド・トランプ大統領は11月22日朝、ラバー・ボール氏との舌戦が高じて、同氏を“哀れな男ドン・キング（注後記）”、“恩知らずな愚か者”とツイッターでこき下ろした。 　

　同大統領は11月12日に習近平国家主席と会談した際、前週に万引き容疑で逮捕・拘留されていたUCLAの3人の選手について、特別な計らいを習主席に要請していた。...

11月22日付米『Foxニュース』（『AP通信』配信）：「“哀れな男ドン・キング”：不和が高じてトランプ大統領がバスケットボール選手の父親であるラバー・ボール氏を揶揄」 　
　ドナルド・トランプ大統領は11月22日朝、ラバー・ボール氏との舌戦が高じて、同氏を“哀れな男ドン・キング（注後記）”、“恩知らずな愚か者”とツイッターでこき下ろした。 　

　同大統領は11月12日に習近平国家主席と会談した際、前週に万引き容疑で逮捕・拘留されていたUCLAの3人の選手について、特別な計らいを習主席に要請していた。その効果か、3人の選手は間もなく釈放された。 　

　そこで同大統領は、3人の選手の保護者らに謝意を求めた訳だが、リアンジェロ・ボール選手の父親であるラバー・ボール氏が、釈放されたのは習主席のお蔭であるとした上で、大統領にはもっと大事な仕事があるとコメントしていた。 　

　これに怒った同大統領が、迅速な解決が見いだせたのは自身が動いたためだと強調し、かかる対応を取られるのであれば、当該3選手は中国に5年でも10年でも拘留されたままにしておけば良かったと毒づいた。

同日付英『ジ・インディペンデント』紙：「トランプ大統領が、中国で釈放された米大学生の父親のラバー・ボール氏を“哀れなドン・キング”と毒づいて攻撃」 　
　トランプ大統領がまたツイッター上で舌戦を展開している。相手は、先週中国で釈放されたUCLAバスケットボール選手の父親であるラバー・ボール氏である。 　

　同氏が、（息子の釈放に）感謝するとしたら習主席だとして、同大統領からの謝意の求めに応じなかったことに対して、同大統領が“恩知らずの愚か者”と毒づいたもの。 　

　更に同大統領は、自分が習主席に特別な計らいを要請しなかったら、同氏の息子らは万引きの罪で中国に5年も10年も拘留されただろうし、その間寂しい感謝祭（今年は11月23日）を過ごすことになっただろうと追い打ちをかけた。 　

　なお、ボール氏は11月20日、『CNNニュース』のインタビューに答えて、自身も父親として、息子の釈放に向けてできることはしたとした上で、米国の大統領にはかかる個人的なことではなく、国家のために注力して欲しいとコメントしていた。

　しかし、同大統領の怒りは収まらず、このような恩知らずには初めて会ったとし、自分はヒラリー・クリントン（昨年の大統領選を戦った政敵）が大嫌いだが、もし彼女が自身の息子を救ってくれたなら、謝意を表明するだろうと更にツイートしている。

（注）ドン・キング：米国のプロボクシング・プロモーター。2000年頃まではライバルのボブ・アラムと並んで2大ボクシングプロモーターとされていたが、選手への多額の未払いや契約違反などで信用を失墜して、現在は落ちぶれている。上方に逆立った独特のヘアースタイルで有名。