米政府は16日、欧州を訪れる旅行者のための海外安全情報を更新し、クリスマスから年末年始に続くホリデーシーズンには、テロの脅威が特に高まると新たに警告した。警告期間は1月31日までとなっている。日本からの旅行者も改めて注意をしたい。
米国は欧州に向かう自国民に対し、イスラム過激派などによる襲撃に警戒するよう、しばしば注意情報を出してきたが、近年では祝祭日や祭り等の行事が狙われる危険性を強く警告している。2017年は各国でテロによる襲撃が相次いだため、この休日のシーズンは特に注意して欲しいと特別な警戒を呼びかけている。
更新された海外安全情報では、欧州全域にわたり、「ソフト・ターゲット」に対するテロリストの襲撃の危険性について警告している。...
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米国は欧州に向かう自国民に対し、イスラム過激派などによる襲撃に警戒するよう、しばしば注意情報を出してきたが、近年では祝祭日や祭り等の行事が狙われる危険性を強く警告している。2017年は各国でテロによる襲撃が相次いだため、この休日のシーズンは特に注意して欲しいと特別な警戒を呼びかけている。
更新された海外安全情報では、欧州全域にわたり、「ソフト・ターゲット」に対するテロリストの襲撃の危険性について警告している。ソフト・ターゲットとは、テロの攻撃対象の内、警備や警戒が不十分なために攻撃が容易な人や場所を指すが、安全情報では、具体的に欧州への訪問者に対し、多数の人が訪れる観光地、空港、レストラン、ショッピングセンターや商店街、宗教施設、教育施設、ホテル等の場所では特に注意をするよう求めている。
昨年の同時期に起きた多数の犠牲者を出したテロ事件として、2つの事例が挙げられている。1つはドイツ・ベルリンのクリスマス・マーケットに大型トラックが突っ込み、12人が死亡、50人以上が負傷した事件である。犯人はチュニジア出身の難民申請者で、イスラム教過激派組織イスラム国(IS)に忠誠を誓っていた。犯人は後に警察によって射殺されている。もう1つは大晦日にイスタンブールのナイトクラブ起きた銃乱射事件で、少なくとも40人が死亡し、70人以上が負傷した事件である。犯人は今年1月に逮捕され、ISが犯行声明を出した。
安全情報はまた、米国民に対し、テロリストの集団や過激派が、殆どあるいは全く予告なしに襲撃を実行する可能性について用心するよう呼びかけている。テロリストは武器や爆発物、車両などを事前に襲撃が検知されにくい方法で使うという。
さらに最近、英国、フィンランド、フランス、ロシア、スペイン、スウェーデンなどの国々で襲撃事件が相次いでいるが、これはISや国際テロ組織アルカイーダなどのグループが欧州で現在も活発に活動しており、いつでもテロ事件を計画し、実行する能力を備えていることを示すものであると警告した。
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