アメリカ南部ジョージア州ローレンスビルで行われたこのイベントは、映画制作やウェブ・コンテンツ制作を行う黒人団体「アーバン・メディア・メーカーズ」の創設者シェリル・モーゼス氏によって企画された。このイベントの背景には「否定的なことに積極的に挑戦していくような何かをしたい」という思いがあった。そこで同団体創設15周年を記念して「Come Meet A Black Person(黒人に会いに来て)」というイベントを企画した。モーゼス氏は「関係を深める初めての機会としては絶好だ。もし黒人と交流がある人なら、その人を自分と同じように扱えるが、交流がない人はどこかで見聞きしたかもしれないことを基準に扱うしかない。」と話した。
米国の非営利団体「公共宗教研究所(PRRI)」が2013年に行った調査によると白人のアメリカ人のうち、約75%が非白人の友人を持っておらず、逆に黒人の65%は白人の友人がいなかった。モーゼス氏もそれを知ったことがイベントを開催するきっかけとなった。また、ニューヨークの雑誌によると人種に対して寛容であることを正当化するために「黒人の友達がたくさんいる!」というものの、実際は4分の3ものアメリカの白人が事実ではなかったという。
イベントでは食べ物や飲み物、景品を用意し、ゲームなどを行う。気まずそうな人や恥ずかしがる人にはスタッフが手を差し伸べ、場を和ませる。モーゼス氏は「白人の中でも特に非白人の友人が一人もいない人に参加してほしい」という。
一部メディアやツイートではこのイベントがまるで‘見世物’のようであり、動物園ではないと批判する者もいた。しかしモーゼス氏は今回が成功すれば、来年以降も企画を提案していきたいとしている。
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