こうしたPESCO立ち上げの背景には、防衛面においてトランプ米政権のEUへの軍事的関与の度合いの不安定さや、2019年3月英国がブレグジットによりEUから離脱するという状況、ロシアの軍事的脅威等がある。...

こうしたPESCO立ち上げの背景には、防衛面においてトランプ米政権のEUへの軍事的関与の度合いの不安定さや、2019年3月英国がブレグジットによりEUから離脱するという状況、ロシアの軍事的脅威等がある。すなわち、PESCOは軍事・防衛面において欧州加盟国が米国からの自立を目指す動きでもある。

また、PESCOに参加する条件として、合同の武器装備計画に参加し、EUの危機に対応する部隊に兵士を派遣する等が盛り込まれている。尚、デンマーク、ポルトガル、アイルランド、マルタ、英国は署名していない。ただし、EUの外交政策担当者は「PESCOはNATOに対する補完的なものであり、競合するものではない。」と強調した。

また、ドイツの国防相は「どの国も欧州の安全保障問題を解決することはできない。欧州は自力で安全保障問題を解決しなければならない。」と述べた。