バチカンの会議には11人のノーベル平和賞受賞者や、国連、NATOの関係者、少数の核保有国の関係者が参加する予定。
トランプ大統領が北朝鮮の金正恩との激しい口論のバトルを繰り広げる中、フランシスコ教皇のスピーチは世界に一息つく休憩と安らぎを与えた、と専門家は分析する。
しかし、フランシスコ教皇は「冷戦時代から続く核抑止論の間違った幻想から世界中が目覚めるように国際社会の世論にさらに働きかけたい。...
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バチカンの会議には11人のノーベル平和賞受賞者や、国連、NATOの関係者、少数の核保有国の関係者が参加する予定。
トランプ大統領が北朝鮮の金正恩との激しい口論のバトルを繰り広げる中、フランシスコ教皇のスピーチは世界に一息つく休憩と安らぎを与えた、と専門家は分析する。
しかし、フランシスコ教皇は「冷戦時代から続く核抑止論の間違った幻想から世界中が目覚めるように国際社会の世論にさらに働きかけたい。」と述べている。
会議の主催者と教皇のトップアドバイザーのシルバーノ・トマシ氏も「核抑止論は一部の人にとっては絵空事で机上の空論にしかすぎません。もはや核の保有は世界の安全を保障するものではありません」と述べている。しかし、国連が7月に核廃絶に関する条約を定め、122か国が署名したが、核保有国やNATO加盟国は「北朝鮮などの核の脅威がある限り、核の廃絶は崇高な理想論にしか過ぎず非現実的である。」として署名を拒否した。
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、条約が承認されるために働きかけた組織だが、ICANのベアトリス・フィン事務総長はノーベル平和賞の受賞者でもあり、今回の会議でも演説する予定とのこと。初のラテンアメリカ人の教皇となったフランシスコ氏も「核兵器は断固として反対する。莫大な開発費用を他のもっと有益なことに使用すれば世界は平和になる。」と主張する。
また、教皇のトップアドバイザーのシルバーノ・トマシ氏は「今回フランシスコ教皇は、アメリカ政府と北朝鮮政府に書簡を宛て、対立よりも対話の重要性を訴えるつもりです。お互いに壁を築くのではなくコミュニケーションが大切です。前に進む方法はそれしかありません。今回の会議でそのメッセージが国際世論に伝わればいいと思っております。」と胸中を語った。実際にローマカトリック教会は、アメリカとキューバの対立問題も仲介して大いに成功したことで知られている。しかし、朝鮮半島問題については今のところ過度に干渉するつもりはなさそうであり、今後は仲介役で多くの経験を有するノルウェーが重要な役割を果たすとみられる。
今回のバチカンでの会議はアメリカやロシア、NATOなど多くの国が参加する予定だが、肝心の韓国や北朝鮮の参加は未定とのこと。しかし、122か国の核廃絶の条約は国際世論に多大なる影響を与えて、多くの国が核廃絶には合意する方向に向かってきているという。トマシ氏は「これからは、核の脅威によってではなく、お互いの信頼感や連帯感によって世界の安全を保つ時代となるべきです。」と語った。
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