米財務省は8日、オバマ前政権で緩和されたキューバに対する制裁を再び強化することを発表した。キューバ軍に関連する組織との商取引や、米国人のキューバへの渡航制限などがその内容で、9日から施行される予定である。
トランプ米大統領は6月に制裁の一部復活を表明しており、これを受けて具体的な政策が8日に発表された。大統領は当時、キューバ政府は市民を抑圧し続けており、オバマ前大統領は2014年に関係改善を図った際に、譲歩し過ぎたと批判していた。今後、キューバの軍や情報機関等が、米国人の観光客や米国との商取引により利益を得ないような措置が取られる。
ムニューシン財務長官は8日、「キューバ軍との経済活動を封じ、同国政府が国民の政治、経済の自由をより拡大するよう促すため、制裁を強化した。...
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トランプ米大統領は6月に制裁の一部復活を表明しており、これを受けて具体的な政策が8日に発表された。大統領は当時、キューバ政府は市民を抑圧し続けており、オバマ前大統領は2014年に関係改善を図った際に、譲歩し過ぎたと批判していた。今後、キューバの軍や情報機関等が、米国人の観光客や米国との商取引により利益を得ないような措置が取られる。
ムニューシン財務長官は8日、「キューバ軍との経済活動を封じ、同国政府が国民の政治、経済の自由をより拡大するよう促すため、制裁を強化した。」と声明で説明した。
具体的には、キューバ政府関連の180の組織、企業、旅行会社等との商取引を禁止する。これにはアーネスト・ヘミングウェイの定宿だったホテル・アンボスムンドスのようなオールドハバナ地区の有名ホテル等の83の国営ホテル、ハバナの新しい豪華なショッピングモール等の店舗、マリーナ、政府所有のラム酒製造業者2社等が含まれている。
米国企業はまた、港湾都市マリエルに広がった経済開発地帯での投資を禁じられる。同開発地帯はキューバが将来の通商に非常に重要と考えている区域であり、輸送の基地として税収入も期待している。米国内には、キューバの労働者のためになる政策であり、投資の禁止はキューバ国民の利益を害すると反対する声もある。
米国人のキューバへの渡航については、正式に承認された団体での教育的・文化的訪問は可能だが、個人旅行は今後難しくなる。オバマ政権の制裁緩和以前も、そうした組織だった訪問のみに限定されていた。渡航者は、単にキューバの一般家庭に滞在したり、民間のレストランや店舗で食事や買い物をしたりするだけでなく、キューバ国民への支援活動や、意義ある交流の実施等が伴っていることを証明する全旅程を示す必要があるという。
今回の措置が、在キューバ米国大使館の職員や家族に対する「音響攻撃」に関係するものであるかについては明らかにされていない。キューバからの反発は必至で、両国関係はさらに冷え込む可能性がある。
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