中国が北朝鮮の平壌等への観光旅行を中止するよう、国内の旅行会社に指示を出したと見られている。北朝鮮との国境にある遼寧省・丹東市で北朝鮮向けのツアーを運営している旅行会社が7日、8日から平壌行きのツアー等を中止するよう、地域の観光局から命令されたと報じられた。トランプ米大統領の初めての訪中を8日に控えていることが背景にあると思われる。
中国の習近平主席は8日、トランプ大統領を北京に迎えて会談するが、北朝鮮の核・ミサイル開発問題が最大の議題になるものと予想される。米国は中国に対し、北朝鮮にもっと影響力を行使するよう求めている。
北朝鮮の石炭、海産物、織物等の主要輸出品を各国が輸入しないよう、米国をはじめとした国際社会がこの1年で制裁を強化している中、観光は北朝鮮にわずかに残された外貨を獲得するための手段の1つである。
中国人観光客に対し、北朝鮮への旅行を提供する中国のツアー会社の殆どは、国境の主要貿易拠点、丹東市を本拠にしている。...
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中国の習近平主席は8日、トランプ大統領を北京に迎えて会談するが、北朝鮮の核・ミサイル開発問題が最大の議題になるものと予想される。米国は中国に対し、北朝鮮にもっと影響力を行使するよう求めている。
北朝鮮の石炭、海産物、織物等の主要輸出品を各国が輸入しないよう、米国をはじめとした国際社会がこの1年で制裁を強化している中、観光は北朝鮮にわずかに残された外貨を獲得するための手段の1つである。
中国人観光客に対し、北朝鮮への旅行を提供する中国のツアー会社の殆どは、国境の主要貿易拠点、丹東市を本拠にしている。これらのツアー会社は7日、8日以降は丹東市と国境を挟んで向かい側にある北朝鮮の街、新義州市への日帰りツアーのみ許可すると観光局から言い渡されたという。新義州は中国人旅行客の日帰り旅行に人気の行き先だ。
平壌など北朝鮮の他の地域への長距離旅行は、追って通知があるまでの間、禁止された。多くの中国のツアー会社が、北朝鮮国内での3日以上のツアーを催行してきた。中国政府からの公式の説明等はないという。
「現在はオフシーズンであるが、それが理由ではさそうだ。」と丹東に本拠を置く旅行会社の関係者は話す。「北朝鮮への制裁強化に関連していると思われる。トランプ大統領が中国を離れた後、どうなるか見守るしかない。おそらく制限は緩和されると思うが、わからない。全ては緊張の高まりに関係があるから。」と述べた。
韓国のあるシンクタンクによれば、観光は北朝鮮にとって年間約4,400万ドル(約50億円)の収入を生み出していると見積られている。同国の外国人観光客の約80%は中国人だ。中国は、2012年に23万7,000人以上が北朝鮮を訪問したことを明らかにしているが、2013年以降は統計数字を公表していない。
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