ブッシュ元米大統領父子が、今月14日に発売される書籍「ラスト・リパブリカンズ」のための著者による昨年のインタビューの中で、当時大統領候補であったトランプ氏を「ほら吹き(blowhard)」などと酷評していることが6日までに判明した。
父ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領は、14日発売予定の「ラスト・リパブリカンズ」の著者である歴史家のMark Updegrove氏が行った2016年5月のインタビューで、当時のトランプ候補を「ほら吹き」と呼び、息子のジョージ・W・ブッシュ元大統領も、トランプ氏は共和党大統領の名前以外の全ての概念を破壊する、と懸念を示した。
両氏とも粗野でポピュリストの候補が大統領になることを望まなかった。...
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父ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領は、14日発売予定の「ラスト・リパブリカンズ」の著者である歴史家のMark Updegrove氏が行った2016年5月のインタビューで、当時のトランプ候補を「ほら吹き」と呼び、息子のジョージ・W・ブッシュ元大統領も、トランプ氏は共和党大統領の名前以外の全ての概念を破壊する、と懸念を示した。
両氏とも粗野でポピュリストの候補が大統領になることを望まなかった。現在93歳の父のブッシュ氏は「私は彼が嫌いだ。」と著者に明言している。「彼のことは余り知らないが、ほら吹きなのは知っている。彼が指導者になることについては、余り良い気持がしない。」と述べ、「彼は国を統一するかも知れないが、謙虚さが必要だ。」と語った。
息子のブッシュ氏は父のコメントを受けて、「謙虚さ」はブッシュ家の伝統であるとして、トランプ氏にはそれが見えないと批判した。インタビューの1カ月前に、トランプ氏は外交や軍隊の経験がないにもかかわらず、自分は頭脳明晰であり、外交政策の助言者は自分自身であると述べている。息子のブッシュ氏はこれに対し、「この男は大統領になることの意味を理解していない。」と酷評した。
2人の元大統領は、家族であるジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事等、他の候補をトランプ氏が次々に退け、共和党の最終候補に指名されることが近づいている時期にコメントした。最終的に大統領選では、2人とも共和党のトランプ候補には投票せず、父は民主党のヒラリー・クリントン候補に投票し、息子は白票を投じたという。
トランプ氏以前の共和党の存命の大統領は、今やブッシュ父子だけとなったが、ホワイトハウスは4日、「もし1人の大統領候補が政党を解体できるとすると、その2人の過去の大統領が残したレガシーが、どの程度強いものであったかを明白に示しており、その程度であったということだ。」と反論した。息子のブッシュ元大統領のイラク戦争に触れ、「米国史上最大の外交政策の過ちの1つ」と断罪した。トランプ大統領は4日、アジア歴訪に向かう途中で両氏の発言に対する感想を求められ、「帰国後にコメントする。」と述べている。
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